人口減少を見据えた日本社会においては昨今、退職者=アルムナイの重要性が高まりつつある。アルムナイ・リレーション構築を推進するハッカズークの鈴木仁志氏に、その重要性について話を聞いた。
退職者との良好な関係構築を社会レベルに広げていく
卒業生やOB/OGを意味し、企業においては退職者を意味する「アルムナイ」。欧米では一般的に知られている言葉であるが、国内でもコンサルティング会社やIT企業などをはじめとする一部の企業では、退職者と良好な関係を保ち続けることで新規ビジネスの創出などにつなげてきた。
「キャンディデイト・リレーション、エンプロイー・リレーションのマネジメントは企業活動として珍しいことではありませんが、その先にある『アルムナイ・リレーション』の構築に取り組む日本企業はこれまでほとんどありませんでした」。
こう語るのは、日本で初めてアルムナイとの関係構築に特化したサービスを提供するハッカズーク 代表取締役CEOの鈴木仁志氏だ。同社が設立された2017年時点では、アルムナイとの関わりがある企業であってもそれは公式的なつながりではない場合が多く、企業側がその関係構築に取り組んでいる例はほとんどなかったという。
「アルムナイ・リレーション構築の意義は、企業側と退職者側の"相互活用"にあります。相互利益のために退職者が副業として仕事を続けるといったように個人単位の例はこれまでもありましたが、そういったアルムナイ・リレーションの相互活用を日本の社会レベルで広げていくべきだと考えています」(鈴木氏) …
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