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「CES2020」現地レポート

テクノロジーの祭典でも「人間中心」と「体験」が重視

森 直樹氏(電通)

米国・ラスベガスで1月7日から10日まで開催された「CES(コンシューマー・エレクトロニクスショー)2020」。50年の歴史があるCESは、家電ショーからテクノロジーとイノベーションのイベントへと変化している。電通の森直樹氏が広告会社のクリエーティブディレクターの視点から見たCESのレポートを紹介する。

Impossible FoodsのCEOであるDr.Patrick Brown氏。レストランで記者発表が行われた。

CESでのPR成功例といえる「インポッシブル・バーガー」

今年のCESは、AIや5Gなどのテクノロジーそのものというより、テクノロジーと人の向き合い方、利活用に対する期待一辺倒だった印象だった。データとの新しい企業の向き合い方など新しい文脈発信というか、新しい潮流が起きていると感じた。そこで、最後に私のまったくの主観で気になったことを紹介する。

メディア・デーで、個人的に興味深かったのが、Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)による記者発表。Impossible Foodsとは、2011年に同社のCEOであるDr.Patrick Brown氏によって創業された、カリフォルニアに拠点を置く、植物由来の人工肉や乳製品を製造・開発する食品テクノロジー企業だ。食料品店でハンバーガーの販売から事業を開始したが、現在は米国、シンガポール、香港、マカオの1万7000軒以上のレストランで人工肉を使用した「インポッシブル・バーガー」を提供している。

同社の記者発表の会場はレストラン。これまでの牛肉テイストの人工肉に加え、豚肉テイストの"インポッシブル・ポーク"と"インポッシブル・ソーセージ"が発表された。これらは大豆を原材料にしながら、挽き肉の味と食感を模倣したもの。大豆の根に含まれる大豆レグヘモグロビンからヘム(肉に風味と質感を与えるタンパク質)を抽出し、これが"肉"の風味と食感を与えているという。このインポッシブル・ソーセージは、バーガーキングを通して消費者への提供を開始する予定と発表された。

CESの会場で、米国の記者や日本からの参加者と意見交換した際、何度か「インポッシブル・バーガーは食べた?」と話題に上がった …

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