アクセンチュアはCSRの一環として若者の就業力を高める活動を行う中、NPO法人 キャリア解放区とともに、2013年に「就活アウトロー採用」プロジェクトを開始。同プロジェクトに草創期から関わる、アクセンチュア 坂本啓介氏に話を聞いた。
CSR活動で得た発見から始まった「就活アウトロー採用」
アクセンチュアはCSR活動の一環として現在、不安定な就労状態にある、もしくは起業したい若者を対象に就業力強化を目的としたプロジェクトに取り組んでいる。当初より、就活生に一般的に求められるような基礎スキルを身に着けてもらおうと、若者を対象にプログラミング講座の実施や企業とのマッチングをはじめとして様々な活動を行ってきた。
「多くの若者に接しているうちに、一般的な就活生と同等のスキルを持っているにもかかわらず、就職していない若者が一定数いることが分かってきたんです」。こう語るのは、アクセンチュア セキュリティコンサルティング本部の坂本啓介氏。
当時、IT運用部門に所属しながらCSRチームにも関わっていた坂本氏は、「彼らは新卒、第二新卒、中途のいずれにも当てはまらない層です。既存の就職活動に違和感を持つ彼らの中には、世界中を旅してビジネスをしたり、起業している方など様々な方が存在します」と説明する。
一方、CSR活動の中で得た発見の裏側で、坂本氏は自身のチームを成長させていくためには、今いるメンバーとは異なった価値観を持つ人材を迎え入れていく必要性を感じていたそうだ。
「ビジネスを効率よく拡大していくために、同質性の高いメンバーが集まっていました。そのため新しいこと、面白いことが生まれづらくなっているという課題に直面してしまったのです。コストを抑えたり、競合に対しての優位性を保っていくためには、新しい売り方や商品を考えていかなくてはいけない。現状のチーム体制のままで革新を生み出すのは難しいと感じていました」(坂本氏)。
こうした現場の閉塞感とCSR活動で得た発見に基づきながら、アクセンチュアは2013年にNPO法人 キャリア解放区と「就活アウトロー採用」プロジェクトを共同で立ち上げた。このプロジェクトは、多くの若者と企業から共感を集め、2020年現在、累計6500名以上の若者と155社の企業が参加し、620名以上の就職が実現した …