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フランス消費トレンド

セクハラ論争で揺れるフランス スマホ広告でセクハラ撲滅!?

山本真郷、渡辺寧​

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

世界で広がるMeToo運動 フランスでは文化論争へ

ハリウッドの映画プロデューサーによるセクハラや性的暴力を女優やモデルが告発したことをきっかけに、世界的に広がるセクハラ撲滅運動「#MeToo」。

フランスではより過激なハッシュタグ(#BalanceTonPorc=ブタを告発せよ)と共に告発の動きが広がりましたが、そうした中、様々な分野で活躍するフランス人女性100人(往年の大女優カトリーヌ・ドヌーヴ他)が連名で仏紙ル・モンドに声明文を出し、<意訳>「男性には『口説く自由』がある~口説くことと犯罪を一緒くたにしてはいけない」とした上、過熱するMeToo運動が「魔女狩り」のようでピューリタニズムの波を起こしていると主張したのです。

この声明に非難が殺到し、女男平等担当副大臣までもが「危険な内容」と指摘するなど、大きな論争へと発展しました。

デリケートなテーマを除けば、声明の根底には昨今のSNSによる全体主義の風潮に対する警鐘も含まれ、現代的な問題提起と捉えることもできるでしょう。現在もセクハラ論争は続いていますが、今回は直近で展開された「スマホを活用したセクハラ撲滅キャンペーン」をご紹介します。

インタースティシャル広告 セクハラ対策に活用

フランスでは、特に公共交通機関におけるセクハラが問題視され、マクロン政権が法整備に着手していますが、民間企業や非営利団体による「男性に向けた啓蒙活動」も活発化しています。Ogilvy Parisはセクハラ問題を扱う諸団体やメディア(GQ、Konbini、SoFoot、Libération、BFM、L’Express)と協力し、3月8日の国際女性デーに合わせてハラスメント撲滅キャンペーン「Non C’est Non」(ダメなものはダメ)を実施しました …

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