モバイルシフトが進み、SNSが浸透した現代。フォーマルなギフトの市場が縮小傾向を追う中、パーソナルなギフト市場は現在も伸長しています。その市場拡大の裏にある消費者のインサイトとは。伊藤忠ファッションシステムの吉岡裕之氏が消費者の消費活動の傾向を元に解説します。
インサイトの変化 若くなればなるほど、合理的に
矢野経済研究所が2017年10月に発表したギフト市場調査によれば、国内のギフト市場は前年比の102.5%と現在も成長を続けています。フォーマルギフトは縮小傾向にある一方、パーソナルギフト市場は伸び続けるその背景にあるもの。それは、消費者のインサイトの変化や、SNSの浸透などが挙げられると考えます。
下図は当社が消費者の分析を調査してきた結果に基づき、17~81歳までの生活者を11の区分に分け、価値観や消費行動の特徴をまとめた「オリジナル世代区分」です。この内容にも現れているように、バブル景気の経験有無を境に、若い世代になるほど、消費活動全般に対して非常に合理的な傾向が見られます。それは、自分のための消費活動に限らず、誰かのためであっても同様で、コストパフォーマンス(投資対効果)を重視しています。
自分で使用するものであれば、高くリセールできるかという視点が昨今の顕著な傾向ですが、誰かのためにお金を使う際にも、"精神的なコストパフォーマンス"という面で、気にかけている様子がうかがえます。例えば、かけた金額の分までしっかり使ってもらえるか、贈るという行為が形骸化せず本当に喜んでもらえるのかといった具合に、です。従来以上に、ギフト目的の品物選びでは、シビアな目が向けられています …