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成長する「プチギフト市場」

データから見える、拡大していく「カジュアルギフト」市場

川村美佳氏(大日本印刷)

消費者は「ギフトを贈る機会」を、どのように捉えているのでしょうか。大日本印刷(以降、DNP)で「ギフト・コミュニケーション研究」に取り組む川村美佳氏がデータに基づいて市場動向をひも解きます。

誕生日のプレゼントが実施率トップ 日常的なプチギフトが回数最多

DNPでは、暮らしの中で数多くあるギフト機会について、季節イベントごとに贈る"シーズンギフト"、ライフステージの変化など人生の節目を迎える祝いごとで贈る"ライフイベントギフト"、日常生活の中で贈る"カジュアルギフト"と3つのタイプに分けて捉え、2013年より「ギフト・コミュニケーション」について研究を進めている。

その研究の一環で実施した調査によれば、2017年の1年間のギフト実施率(贈った割合)は、「誕生日のプレゼント」が最も高く34.5%。「母の日のプレゼント(32.7%)」、「お中元、夏ギフト(32.4%)」と続く(図表1)。実施率トップ「誕生日のプレゼント」の特徴は、若者からシニアまで、どの年代でも30%以上が贈っていることで、調査開始から毎年トップとなっている。

図表1 2017年ギフト実施率
DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」(2017年6月、2018年2月)

ここで、3つのタイプの中で"カジュアルギフト"に注目したい。ここには「旅行のお土産」「日常的なプチギフト」「訪問時、外で会うときの手土産」などが分類されるが、平均単価が1500~3000円と低単価である一方、1年に2.5~5回と他のギフト機会と比較して実施回数が多い。特に「日常的なプチギフト」は平均4.9回で、学校や職場など、身近な相手とのコミュニケーションにおいて、日常的に贈られていることがわかる(図表2)

実施率の高い順にソート
(※1)平均単価が安い上位5つをピンク (※2)平均回数が多い上位5つをピンク
図表2 2017年ギフト実施率
DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」(2017年6月、2018年2月)

季節などで贈る機会が限定される"シーズンギフト"や、身近に該当する人がいなければ贈る機会がない"ライフイベントギフト"と比べ、"カジュアルギフト"は、誰でも、年に何度でも贈る可能性があるギフト機会なのだ。SNSの広がりとともに日常的なコミュニケーションが活発になる中で、細かな機会を捉えたギフト・コミュニケーションとして、今後拡大する見込みのある注目の市場であることがわかる …

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