[アクセラレーター・ピッチとは]
SXSWのメインイベントの一つ。全世界から500以上のスタートアップ企業が集結する。著名な起業家や投資家たちの前で自分たちのプロダクトやビジネスアイデアについてピッチを行い、優秀企業を決める。カテゴリーは10あり、発想のユニークさや収益性、ビジョン、社会的なインパクトなどを基準に審査される。
世界中から気鋭のスタートアップが集結する、SXSWのメインイベントの一つである「アクセラレーター・ピッチ」。ここでは10のカテゴリーで表彰された優秀企業をそれぞれ紹介する。
1 Security and Privacy部門
UnifyID パスワードなしで個人認証を実現
従来、WebサイトやIoTの閲覧・利用には、ID・パスワードの入力や、顔・指紋・網膜認証といった個人認証が必要不可欠だった。「UnifyID」はこれを脱し、ユーザーのビヘイビア(行動)によって個人を認証する方法を提案する。
具体的には、GPSや加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、気圧計、環境光、Wi-FiやBluetoothなどを使ってユーザーの行動データを収集、機械学習によってユーザーのデータベースを構築し、99.999%の正確性で個人を特定することが可能だという。ユーザーにとっては、新しい個人認証の体験であると言える。
2 Social and Culture部門
Lily 女性向けファッションリコメンド・アプリ
ユーザーの嗜好や悩みをチャットで収集し、そのデータを基に、ユーザーにぴったりの洋服をリコメンドするサービス。バナナ・リパブリックやノードストローム、H&M、メイシーズなど、さまざまなショップのファッションアイテムが取り揃えられている。
過去2年間で収集・蓄積した5万件にのぼるデータから、スタイリングのセオリーを確立しており、ユーザーの心理状況に合わせた柔軟なリコメンドも可能。ユーザーの3人に1人が、そのレコメンドを基にアプリから商品を購入した経験があるという。
3 Enterprise and Smart Data部門
Deep 6 AI 新薬開発を支える AIサービス
新しい薬や治療法の効果や安全性を検証し、国の承認を得るために実施される治験。Deep 6 AIによると、この臨床試験の80%は、参加する患者の数が不足するがゆえ、進行が遅れているという。治験の進行が遅れれば、その薬や治療法が多くの患者を救う日は遠のいてゆく。
「Deep 6 AI」は、人工知能と自然言語処理を診療情報管理に適用することで、膨大な量の診療情報を集約、特定の症状を抱える患者をいち早く見つけ出し、治験とのマッチングを図っている。治験の効率化と高精度化、いずれにも寄与するサービスだ。
4 Health and Wearable部門
Sound Scouts 子どもの聴覚を検査できるゲーム
子どもの学習や社会化において、大きな影響をもたらす可能性がある、聴覚障害。だが、自らの聞こえに問題があっても、子どもがその違和感を大人に伝えることは …