SXSWは、いつ参加しても大きな刺激を受けるイベントです。今年も、宣伝会議の「【SXSW視察研修】Innovation Boot Camp in Texas」にて参加し、いくつかの記事をAdverTimes(アドタイ)に寄稿しました。現地から帰ってきてから1カ月が経過し、SXSWを通じて自分の中で感じた刺激が、時間とともに醸成され、理解や考えに近づいてきました。
SXSWの簡単な説明をしましょう。楽しかった、内容が濃かった……参加された方から、このようなさまざまな感想を聞かれているかもしれません。私が主に参加した、SXSW Interactiveは、テクノロジーとアートが融合したイベントです。それは、SXSW Interactiveは、SXSW Filmのマルチメディア部門が成長したものに由来しているかもしれません。
SXSW Interactiveには、「Brands & Marketing」「Design」「Development & Code」「Government」「Health」「Intelligent Future」「Style」「Tech Industry」「Workplace」と実に多くのカテゴリーが存在しており、これらに関する数多くのセッションと展示が行われてます。またSXSWらしいのは、そのどれにも収まらないようなコンテンツも存在するということです。
2017年のSXSW Interactiveで大きく取り上げられていたのは、AR/VR、IoT、Healthcareの3つだったのではないでしょうか。ここでは、その中でも読者の興味の高い、AR/VRとIoTについて、「ユーザーエクスペリエンス」という視点で整理したいと思います。
また、AR/VR、IoTと同じくらい語られていたテーマにAIがあり、また「人とコンピュータ、ロボット」というテーマについても多くのセッションで話されていました。
コンピュータと人との接触はブラウジングから会話へ
本題の「ユーザーエクスペリエンス」の話に入る前に、「人とコンピュータ、ロボット」のテーマについてまとめます。セッションとしては、「I Speak Robot」などがありました。現在は、ロボットとのコミュニケーションはタブレットやプログラムを使います。それが今後は、「人とのコミュニケーション」つまり「会話」に近づきます。
このことは、私たちのPCや携帯電話の利用にも関係があるでしょう。実際、携帯電話の音声コマンドを使う人も増えてきました。今までの「PCの画面を見る」という行動が、「PCからの音声を聞く」という経験に変わるかもしれません。もしそうなったら、インターネット空間で多く使われている、バナー広告に影響を与えるかもしれません。
AIの話も数多くのセッションで話されていました。私たちの働き方はどう変わるのか、クリエイティブはAIに取って代わられるのか、といった議論が数多くなされていました。AIについては、SXSWでもしばらく議論され続けるのではないでしょうか。
エンターテインメント以外へとVRの活用範囲が広がっている
さて、「ユーザーエクスペリエンス」の話に戻りましょう。ますAR/VRについては、わくわくする話が多かったです。今年は、AR/VRを体験できる会場が常設されるくらい、ホットなトピックスの一つでした。私も会場でVRを体験しましたし、複数のセッションにも参加し、会場内でさまざまな方と情報交換や議論をしました ...