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スマホブランディング THE 仕事人(PR)

顧客接点をつなぐシームレスなブランド体験を

全日本空輸(ANA) 西村 健

「前例通り」が通用しないのが、変化の激しい今の時代。特に消費者のお気に入りメディアがスマホへシフトするなど、メディア接触が大きく変化する中で、マーケターは常にチャレンジが求められる厳しい仕事になっています。そんな環境にポジティブに向きあい、挑戦を続けている新時代のマーケターの方たちに、現在の課題、そして未来構想を伺います。

2012年に宣伝部、WEB販売部をマーケットコミュニケーション部の傘のもとに統合した全日本空輸(ANA)。オンライン・オフライン統合のブランド体験構築を志向する同社。その戦略において、常に顧客の手元にあるスマホはどのような役割を担っていくのか。

私が属するマーケットコミュニケーション部は国内に加え、海外市場も含めてのマーケティング戦略の企画・実施を担っています。その中でもデジタルマーケティングチームの私の役割は、テクノロジーのフィールドリサーチ。ブランド力、販売力を最善の方法で高めるため、常にアンテナを張り巡らせ、旬なツールや手法の情報収集をしています。失敗を恐れず、良いものを自部署のマーケティングに取り入れ、実施、検証してみる。よければ検証の知見とともに、関係する部署に対しても導入支援を行います。

飛行機は他の移動手段に比べると、搭乗までの手続きが多くあります。安全な空の旅を楽しんでいただくため、手続きの必要性は理解いただいていると思いますが、面倒であることに違いはありません。一方で、手続きが多いとは、お客さまとの接点も多く発生するということ。この接点でうまくデジタルを活用できれば、よりお客さまの利便性を高めることも可能です。

中でも近年、特に重要になっているのがスマホ。ANAでも早い時期から注力をし、空港では保安検査所も搭乗口もスマホをかざすだけで通過でき、スムーズにご搭乗いただける様になりました。また羽田空港ではiBeaconを設置し、ご予約便の搭乗口に最寄りの保安検査場をANAアプリに表示するサービスを始めています。

空港でのサービスは顕在化した顧客へのサービス提供になりますが、マーケットコミュニケーションチームにとっては潜在顧客のニーズ創出も重要なテーマです。現在、航空会社のメインユーザーは30代後半から40代のビジネスパーソンですから、潜在顧客へのニーズ創出のキーワードは「若年層、女性、スマホ」。この条件に当てはまったのがキュレーションメディアです。

当社は現在、antenna*を利用しています。antenna*は、生活になじんだコンテンツが多く、その中から自分の好きな情報をカスタマイズして取り出せるパーソナライズされたプラットフォームだと判断したからです。見た方に旅行に行きたいと思ってもらえるように、旅のヒントとなるようなトリビアネタのコンテンツも配信しています。

狙い通り、女性や若年層にコンテンツを見てもらえてはいますが、こうした施策に即効性は求めていません。そこで読者情報をDMPに入れデータを資産化して、帰省などの旅行シーズンに向けて広告を始めとするプッシュ型のコミュニケーションをとっています。

またantenna*で試験的に日本を紹介する英語の動画を配信してみたところ、ユーザーが外国人の友人にシェアしてくれ、拡散しました。良いコンテンツさえつくれば、そこから拡散していくのだという実感を得られました。

今は「スマホ対応」と言っている時点で、もはや時代遅れで、スマホをベースとしたPC対応の時代がすでに到来しています。しかしANAのスマホ施策はまだ点の状態。飛行機に乗る前から降りた後までの“線のサービス”をつくり込むことが魅力的なブランド体験につながると考えています。

ANAのサービスは世界最高品質だと考えています。ここにデジタルの施策を加え、利便性を高めることで、グローバル市場の中でも、ますます競争力を高めていきたいと考えています。

全日本空輸(ANA) マーケティング室
マーケットコミュニケーション部 デジタルマーケティングチーム
西村 健氏(にしむら・けん)

国内外空港でのオペレーション業務を皮切りに、海外空港の新規開設・システム開発などを担当。フランス パリ駐在を経て、2012年より現職。国内外の自社メディア(ANA SKY WEB、Word Wide Site、ANAアプリ)の企画・管理、プラットフォーム構築を始めとしたデジタルマーケティング全般を担当。

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日本コカ・コーラ「日常のなかでスマホを通じ、ブランドとの接点を増やしたい」
デジタル空間でいかにセレンディピティを生み出すか
ライオン 中村大亮「お客さまの日常の中に新しい接点をつくりたい」

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