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スマホブランディング THE 仕事人(PR)

時代に求められるマーケティングを実践していきたい

良品計画 WEB事業部長 川名 常海

「前例通り」が通用しないのが、変化の激しい今の時代。特に消費者のお気に入りメディアがスマホへシフトするなど、メディア接触が大きく変化する中で、マーケターは常にチャレンジが求められる厳しい仕事になっています。そんな環境にポジティブに向きあい、挑戦を続けている新時代のマーケターの方たちに、現在の課題、そして未来構想を伺います。

2013年から、スマホアプリ「MUJI passport」の提供を開始し、店舗以外でも、スマホを介したお客さまとの接点づくりに取り組んでいる良品計画。同社がブランドコミュニケーションにおいて、スマホに期待する役割とは。

情報過多の時代環境で、ますます広告が見られづらくなっています。特にPCやスマホでは、バナー・ブラインドネスが問題になっており、企業が一方的に発信した情報では、なかなか振り向いてもらえません。

一方でスマホは新たな情報接触、購買行動を生み出しました。友人のSNSの投稿をスマホで見て、検索が始まりブランドサイトや口コミを見てから店舗へ行って購入したら、商品やサービスの感想を、今度はその人自身がSNSで投稿する…。スマホという小さなPCを、誰もが常に持ち歩く現代の環境に合わせたコミュニケーションが必要とされています。

こうした考えもあって「MUJI passport」を開始しましたが、そのユニークな点は、これから行く無印良品の店にチェックインしたり、気になる商品の情報を調べたり、商品購入後にレビューを書いたりと、購入前後も含めて、さまざまな形で無印良品とつながることができる点です。このような仕組みを取り入れるのは、「MUJI passport」は購買履歴を得るための単純なポイントアプリではなく、一人ひとりのお客さまの無印良品への参加度合を示す“ものさし”のようなものだと考えているからです。

無印良品のデジタル施策はメールニュースに始まり、Twitter、Facebook、そしてアプリへと移行しました。移行するたびにお客さまが増え、瞬く間に100万人を突破しました。こうした結果が出たのは、私たちの施策が優れていたからだ、と言いたいところですが、実はそうではありません。無印良品というブランドの求心力を“ピカピカ”に磨きあげることが何よりも大切であり、そのような努力によってデジタル施策を行う前からお客さまとエンゲージできていたことが理由だと考えています。

もともとそうした素地があり、そのうえでコミュニケーションツールを時流に合わせる形で変化させていっただけなのです。

ペイドメディアも完全に否定しているわけではなく、ライトユーザーとの接点をつくる仕掛けとしては有効なケースもあります。例えばライトユーザーにブランドの考えが凝縮されたコンテンツと触れるきっかけをつくれないかと考え、お客さまとの共創サイト「くらしの良品研究所」のコラムをantenna*に配信する取り組みも行っています。

antenna*を選んだのは、ユーザー層との親和性が高く、またantenna*自身に世界観がある点です。まだ配信し始めて間もないですが、今後は読み手との関係に応じて、さまざまなコンテンツを配信し、反応を見てみたいと考えています。

私はデジタルマーケティングで大切なことは、デジタルの広告手法を極めていくことではなく、その時代に求められるマーケティングをすることだと思っています。ポイントは、ユーザーが「無印良品らしい体験ができた」と満足するような、無印良品の体験をつくること。無印良品の古着を回収し、リメイクして販売する「ReMUJI」活動では、古着を店頭に持ってくると1000マイルを付与しています。お客さまは地球のためになる理想的な消費活動ができたという満足感を得ます。それが無印良品のブランド体験を拡張することにつながるのです。

今後もスマホという場を使って、ブランド体験を拡張する企画を開発していきたいと考えています。

良品計画 WEB事業部長 川名 常海氏(かわな・つねみ)

ECサイト「無印良品ネットストア」、顧客との共創を目的としたコミュニティサイト「くらしの良品研究所」、モバイルアプリ「MUJI passport」など無印良品のデジタルマーケティング全体を統括。One Show、TIAA、文化庁メディア芸術祭等受賞、多数。

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時代に求められるマーケティングを実践していきたい(この記事です)
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ライオン 中村大亮「お客さまの日常の中に新しい接点をつくりたい」
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