アメリカンフットボールリーグ・NFLの優勝決定戦であり、広告界でも注目度の高いイベントの一つ「スーパーボウル」。2月7日に開催される第50回大会のテレビ中継のCM放映料は30秒500万ドルにのぼるとも言われている。アドエイジ誌などの記事を参考に、今年注目すべき広告主をピックアップする。
最高のステージは、どの中小企業の手に!?
年に一度のお祭りを、顧客とともに盛り上げる
イントゥイット
コンテスト特設ページ(上)と、ファイナリストのうち1社の「OWN IT!」上の投稿画面。
米国で、中小企業向けでは90%近いシェアを誇ると言われる、会計ソフト最大手イントゥイット社。今回のスーパーボウルでは30秒CMを出稿することを表明している。
しかしCMの内容は、イントゥイットの商品・サービスを直接的に紹介するものではない。同社が会計ソフト「QuickBooks」のブランド名で実施しているスモールビジネスコンテスト「Small Business Big Game」で優勝した中小企業に、そのCM枠で広告をする権利を与えるのである。昨年に続き、2度目の開催となる。
ルールは簡単。コンテスト参加企業は、中小企業オーナー向けのソーシャルネットワーキングサービス「OWN IT!」に登録し、自らのビジネスへの情熱や、社会に対する提供価値を伝える投稿を行う。その投稿を見て、他のユーザーは気に入った企業に投票し、得票数が最も多かった企業がCM放映権を獲得できるというものだ。
1月20日現在、コンテスト公式サイトには、ファイナリストに登り詰めた3社が紹介されている。男性向けショートパンツを製造しオンライン販売するスタートアップ企業「Chubbies Shorts」、味が濃くてカフェインも多い“世界最強”のコーヒーを製造販売する「N.Y.’s DeathWish Coffee Company」、1930年の創業から変わらずニューヨーク・イーストオーロラ村で雑貨店を営み続ける「Vidler’s 5&10」である。
「QuickBooks」のターゲットを中小企業に絞った上で、見込み顧客へのリーチや、既存顧客との関係強化を図る、スーパーボウルの話題性をうまく活用した事例と言える。同社スモールビジネスグループのKen Wach氏は、ウォールストリートジャーナル紙に対し、「このキャンペーンの成否は、コンテストに参加した1万5000社のうち、どれだけの企業と6 ~ 12カ月後も関係性を維持できているかということに現れると思う」と語っている …