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ワールド・レポート

スパイクスアジア 受賞結果が発表に

9月9〜11日の3日間、シンガポールのサンテックシティで「スパイクスアジア(Spikes Asia festival of Creativity)2015」が開催された。計18部門に、アジアパシフィック地域を中心とする23カ国から4351点(昨年は4832点)の応募作品が集まり、421点が受賞を果たした。ここでは、5つの部門でそれぞれグランプリを獲得した事例を紹介する。

イノベーション/アウトドア部門 グランプリ
おしゃれしながら病気を予防

プロダクト
Talwar Bindi「Lifesaving Dot」

企画制作はGrey Group Singapore。

インドの農村部に暮らす女性にとって、ヨウ素不足は深刻な問題だ。それに起因する病で、何百万人もの女性たちが生命を脅かされているという。妊娠中や授乳中には一層多くの量を摂取する必要があり、不足すると胎児の発達遅延につながる恐れもある。

ヨウ素はサプリメントで摂ることができるものの、農村部では手に入りにくいのが現状。そこで目をつけたのが、インドの多くの女性が額につけている「ビンディ」。ヒンドゥー教徒の既婚女性が額につける伝統的な装飾で、かつてはサンダルウッドやシンドール、ターメリックといった自然の素材を朱色の染料で染めたものをつけるのが一般的だったが、都市部ではファッション感覚で額につけられるシールやアクセサリーといったカジュアルなタイプのものも最近は増えてきているという。

「Lifesaving Dot(命を救うドット)」は、このビンディをヨウ素入りのパッチにしてしまおうという試みだ。女性が必要とする1日あたり150〜220マイクログラムのヨウ素を浸み込ませたビンディシールを、各農村のヘルスキャンプ(無料の巡回治療)やクリニックで、妊娠中〜産後の女性に無料配布。それを額に貼ることで、皮膚からヨウ素を吸収し、ヨウ素不足を解消することを目指した。

同施策は、今年6月のカンヌライオンズ2015でイノベーションライオン、医療・ヘルスケア領域のコミュニケーションにおけるクリエイティビティを顕彰するライオンズヘルスではシルバーとブロンズを受賞するなど快挙が続いている。

他の部門とは異なり、イノベーション部門の受賞作品にはゴールド/シルバー/ブロンズの区別はなく、少数の「イノベーションスパイク」が選出される。

日本からも、視線追跡機能を搭載したヘッドマウントディスプレイを使い …

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