顧客の声で販売再開 初期の終売を乗り越えて歩んだ30周年の歴史
2024年9月、発売30周年を迎えた有楽製菓の「ブラックサンダー」。多くの人に愛される「ブラックサンダー」が開発された背景には、1994年当時に主力商品だった「チョコナッツスリー」の存在があった。
ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略
「元気ハツラツ!」のキャッチフレーズでおなじみの大塚製薬「オロナミンC」。1965年の発売以降、幅広い年代に支持されてきた同商品が、今年、50周年を迎えた。
左1965 右2015
大塚製薬では、オロナミンCの発売前に、前身となる栄養ドリンクを発売していた。しかし、当時は競合の後塵を拝しており、より革新的な新しいドリンク開発を始めたのがオロナミンCの起源だと、同社 オロナミンC プロダクトマーケティングマネージャーの奥野誠司氏は話す。開発時に着目したのは「炭酸のさわやかさ」。今でこそ炭酸が入ったドリンク剤は珍しくないが、当時は栄養ドリンクと炭酸を組み合わせる発想が革新的だった。
しかし、炭酸を加えたことでオロナミンCは薬用ドリンク剤として認可されず、薬局での販売許可が下りなかった。そこで新たな販路を求めて全国各地の一般小売店に営業活動を実施。「当時薬局は約4万店だったが、その十数倍にあたる小売店60 万店を開拓することができました」(奥野氏)。
栄養ドリンクは、疲労回復や肉体的に無理をしなければならない時に飲むイメージがある。だが、オロナミンCはビタミン含有飲料。10本パックで購入されることも多く、家庭の冷蔵庫に常備されることで、大人から子どもまで家族みんなが気軽に毎日でも飲むことができる商品だ。
現在、年間約5億本の売上を上げるオロナミンCのボリュームゾーンは中高年をイメージしがちだが、実際は20~30代と若い。面白いことに、「オロナミンCはどういう年代が飲む飲み物?」という問いに、各年代が自分の年代だと答えるのだという。
奥野氏は「テレビCMをはじめ、常に時代を象徴する人気の方たちを起用し、時代やトレンドに合わせたコミュニケーションを展開してきました。ブランド鮮度を保ちながら、栄養ドリンクより手軽という独自のポジションを獲得してきたんです」と話す。実際、CMのイメージは、60代は大村崑さん、40~50代は巨人軍、30代以下は上戸彩さんや櫻井翔さんというように各年代で分かれるという。
3月には、「オロナミンCROYAL POLIS」をリニューアルして新発売。ビタミン類、ハチミツに加え …