BtoB企業にとって、インナーコミュニケーションは対外コミュニケーション同様に重要だ。社員の意識や理解なくして顧客の信頼を得ることは難しい。積極展開している日本GEに聞いた。

BtoB企業こそインナーコミュニケーション
製品やサービスの導入意思決定者が一般消費者ではないBtoB企業にとって、多くの場合マス・マーケティングは必須ではなく、日本においてはBtoB事業のみを行う当社もその例外ではない。マス・マーケティングに投資するBtoC企業においては、商品やパッケージ、あるいはお客様向けの広告宣伝活動を通して、同時に社員のブランド理解や愛社精神を深化する効果も望めるが、BtoB企業においてはそうはいかない。会社と会社が取引をするうえでは、製品やサービスの品質に加え、その企業の信頼感やフィロソフィーが問われる。前線で取引交渉を行う営業担当者やお客様先でサービス提供するエンジニア達が自社のフィロソフィーを体現することができ、なにより自社に対する愛着と誇りをもっていなければ、お客様の信頼を得ることは難しい。それゆえ当社はインナーコミュニケーションも対外コミュニケーション同様に重視している。
すべては課題の把握から
コミュニケーション戦略策定はまず課題を的確に把握することにはじまる。当社では2年おきに全世界・全社員を対象とした意識調査「GE オピニオン・サーベイ」を実施している。社員の意識が浮き彫りになるこの調査では、たとえば、会社の戦略を十分に理解できているか/GEで働くことを誇りに思えるか/リーダーとのコミュニケーションは十分にとれているか/チームワークを図りやすいか/働きやすい環境であるか/フェアに評価されていると思うか...といった100近い項目の結果がスコアで示される。ここから課題を把握し、優先順位をつけて毎年のインナーブランディング施策を企画しており、またこの調査のスコアの経年変化で成果を測ることができる。