世間で話題になるキャンペーンは、どんな風に実現したのか?誰もカタチにしたことがない企画の裏側を公開します。
1軒ずつ住民や近隣店舗に依頼
1月30日、「西友蓮根坂下店」新規オープン1時間30分前の朝7時30分。平日ながら店の前にはすでに行列ができていた。その後も客足が伸びて入場規制、さらに平均待ち時間が1時間という大盛況のオープンとなった。
この盛況を後押ししたプロモーションのひとつが、西友が1月24日から2月6日まで、新店舗周辺エリア住民の協力を得て展開したアンビエント広告だ。店舗最寄りの都営地下鉄・蓮根駅と志村三丁目駅から、新店舗に向かう道すがら18カ所に掲出。同エリアの商店なども巻き込み、駐車場から一般住宅の壁面など、のべ50カ所ほどをメディアとして活用した。
広告のコピーは、掲出場所に合わせてすべて変えた。マンション壁面には「このマンションで暮らす人たちも、あなたも、みんな西友で買い物する、同じ街の仲間なんだなぁ」。新店舗すぐ側にあるスバルのショールームの壁面に掲出した広告には「スバルは、走りがちがう! 西友は、安さがちがう!」。店舗へ誘導する「目の前の道を右へ!」「あと15秒で買い物できる!」といったパターンもある。
今回出店した蓮根・坂下は、集合住宅が建ち並ぶ、ファミリー層の多いエリア。今後も複数のマンション建設が計画されており、さらなる人口増加を見込む。スーパー激戦区でもあり、地域の消費者に、どう受け入れてもらうかが課題となっていた。