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BtoB企業のマーケティング戦略

このままでは世界で戦えない!「ブランドを知財戦略の根幹に」

余田拓郎(慶應ビジネス・スクール)

海外進出、認知度ゼロの環境から新規顧客を取り込むには? 日本のBtoB企業が考えるべき課題について、BtoBマーケティングやブランディングを研究領域とする余田拓郎教授が解説する。

新規顧客の獲得や関係性構築が不可欠

ブランドを企業の重要な資産として捉える「ブランド・エクイティ」という概念が日本で紹介されたのは90年代である。その後、さまざまな企業が全社横断的なプロジェクトを組織し、ブランド戦略の再構築に取り組んできた。しかしながら、その中心は消費財を扱うBtoC企業であり、BtoB企業におけるブランドへの理解は遅れているというのが実態である。

BtoB取引では専門化した購買担当者によって品質やスペック、調達コスト、納期などを判断基準として意思決定が行われ、このような状況では、主観的な判断要素の一つであるブランドが入り込む余地は少ない。また、長期的な取引関係が前提となることが多く、既存顧客との取引が中心であれば、あえてブランド構築に注力しなくても過去の取引実績があれば十分だということになる。

ところが、状況は変わりつつある。企業環境の変化や事業戦略の変更が、BtoB企業であってもブランドの価値を理解し、積極的に活用すべき状況を生み出している。技術革新の進展にともなう部品・工程の変更や顧客企業の系列取引の見直しによって、新規顧客の獲得や関係性構築が不可欠になっている。

潜在顧客に向けたブランドの浸透が必須

とりわけグローバル市場への進出は、多くの場合、既存の取引先との関係強化だけでなく新たな顧客の取り込みが避けては通れない。その一方、インターネットの普及や電子商取引の拡大にともない、新規顧客の獲得機会も増しており、購買サイドも選択肢の中から調達先を選びうる状況を生み出している。このような状況において、新規顧客の開拓を効率的に進めるためには、潜在顧客に向けたブランドの浸透が欠かせない。顧客にニーズが発生した際に、企業名が想起され、引き合いが来なければ、いくら優れた製品をもっていても受注に結びつくことはないだろう。

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