創立100周年を迎えたダイビルは、ステークホルダーへの感謝の気持ちを込め、独自のストーリーが詰まったワイン等を贈った。同施策について、ダイビルほか、企業がステークホルダーとの関係性を強化する際に上質な「ギフト体験」をトータルで提供する、ギフティに話を聞いた。
ビル造り、街創りをグローバルで展開するダイビルは2023年、創立100周年事業を行い、顧客であるテナントや従業員に記念のギフトを贈った。「企業らしさが伝わり、関係づくりが上手くいく、そんなギフトを贈るには、『何をどのように伝えたいか』というコンセプトが大切だと思います」とダイビルで周年事業を統括した鈴木量大氏は振り返る。
最適なギフトを探す
周年事業の目的は①ステークホルダーに感謝の意を表しながら関係性強化を図ること ②次の100年に向け新たな活動やシンボルを発信すること ③100年かけて築き上げた資産を可視化し、次世代に継承していくこと、にあった。3つの目的を達成するため、地域イベント開催や社史編纂など、多岐にわたる周年事業を行うと共に、特別な記念品をこれまでお世話になった方々へ贈ることに。その記念品選定においても3つの目的に合い、相手にも喜ばれる、歴史や伝統、ダイビルらしさが伝わる高品質なもの、という観点で検討。赤ワインを贈ることを決めた。
そこで行ったのは、ワインギフトを選定するコンペ形式の試飲会だ。経営陣や顧客へワインを渡す営業担当者らが試飲会に参加し、ワインを投票で選定した。
百貨店やアルコールメーカー等もプレゼンした中、ダイビルが選んだのはギフティの提案だった。「ギフトを贈ることで、受け取り手にどのような気持ちになってもらいたいか、という弊社の思いを一番汲み取ってくれたのがギフティさん。周年事業との親和性も感じられるストーリー性のあるワインを提案してもらい、味もおいしく、サンプルとしてつくってもらった贈答用のラベルや箱が抜きんでてセンスが良かったことも加点要素でした」と鈴木氏。どのような提案だったのか。
話題が拡がるギフトとは
ギフティが提案したのは現存する日本最古のワイナリー「まるき葡萄酒」のワインだ。ギフティの長田史乃氏はこう話す。「ダイビルさんは100年の歴史の中で、海外の手法を取り入れたり、サステナビリティに力を入れたりと時代に合わせて進化されています。一方で、まるき葡萄酒さんは130年以上続くワイナリーで、ぶどう農場で羊を飼いその羊が草を食べることによって、人が手入れをしなくてもぶどうが育ちます。自然な形でサステナビリティを意識した企業活動をされているわけです。ダイビルさんと企業姿勢が重なる部分も多く、ワインをお客様にお渡しする際にそういったエピソードを添えていただけば、心が通うきっかけになるのではと考えました」。
ワインを入れる箱や手提げ袋には、ダイビルがこれまでに手掛けたビルのコラージュ写真をあしらった。歴史を感じさせながらもスタイリッシュなデザインだ。メッセージカードには、100年を迎えての挨拶に加え、ワイナリーを選んだ理由も添えた。コンペ時の提案内容は、ほぼそのまま本番でも活かされている。
取引先に対しては、ダイビルの営業担当者が、直接出向いてワインを手渡し。パッケージやワインと共にメッセージカードを巡って会話が弾み、同社について知ってもらい、距離感を縮める良い機会になったという。取引先の中には「ワイナリーの選び方がダイビルらしいね」「自社でもこうしたワインのギフトを贈ってみたい」という声も上がっていた。
ストーリーをギフトに込める
ギフティはワインに加え、従業員等向けのギフトとして「社名入りのオリジナルコンクリートボールペン」も提案している。
「ペンをお渡しする際には、『ビルの建築に欠かせないコンクリート素材を使っているので、使うほどに手に馴染みますよ』と言っています。ギフトを贈ることで、こうしたコミュニケーションの機会をつくることができます。そして、そんなギフト選びにおいては、自社の独自の文化を踏まえた上で、意見交換をしながらギフトのコンセプトを固めていくことが大切だと思います」(鈴木氏)。その点、ギフティは最適なギフトを提案してくれるだけでなく、ギフトの仕立て方や渡し方など、ギフトを通じてストーリーを伝えるために有効な体験設計の面からも幅広く伴走してくれたという。「小回り良く対応してくださり、ギフト選びの水先案内人として頼りになる存在でした」(鈴木氏)。
ギフティでは、プランナーが企業へのヒアリングを行い、ギフトの受け取り手と企業との関係性やシーンに合わせて、企業の持つ世界観やストーリーを込めたギフトコンテンツを幅広いバリエーションから企画・提案している。ダイビルのケースでは、記念品の相談を受けてから、ワインのラベルの素材や色など、それぞれでダイビルらしさが出るよう、表現を決めていった。
「ギフトは関係づくりの手段ですが、実際、何を贈ればいいか、何からやればいいか分からないというお悩みも多いのではないでしょうか。企業様のストーリーやどういったメッセージを込めたいのかをお伺いした上で、一緒にギフト体験をつくるところからお手伝いができますので、お気軽にご相談ください」(長田氏)。
図 Corporate Giftの利用シーン(一例)
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