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新聞社発のAI文章校正サービス「Typoless」で広報のヒヤリを防ぐ

朝日新聞社

表記や表現のミスが「企業の信頼低下」を招く─。こうした事態は避けたいが、オウンドメディアやSNSなど、企業の発信機会は増えている。リスクマネジメントをしたい広報担当者の悩みにこたえるのが、朝日新聞社のAI文章校正サービス「Typoless」だ。

「不適切な表現を含んだSNS投稿が拡散されてしまった」「重要な箇所で記載ミスがあり訂正リリースを出すことになった」。どんなに気をつけていても、文章の誤りを見逃してしまうことはある。だが、広報活動における「表記や表現のミス」は、企業ブランドの毀損につながる事態になりかねない。加えて、広報部門だけでなく、事業部門の担当者がSNSなどで発信する機会も増えている。ちょっとした言葉づかいが炎上してしまうリスクも高まる昨今、どうすれば未然に防げるのか。

言葉のプロの知見を結集

文章校正に時間がかかっている広報部門にとって頼りになるのが、いつでもAIで簡単に校正できるサービスだ。

言語データを使った技術開発・研究に10年以上取り組んでいる朝日新聞社では、記事校正履歴データを機械学習させた、AI文章校正サービス「Typoless(タイポレス)」を2023年10月に開始した。ウェブ上に文章を入力しボタンを押すだけで、文章の誤りや不適切な表現を指摘し、修正案を提示してくれる。

情報解禁前の文章を扱うことの多い広報担当者にとっては、情報漏洩が気になるところだが、Typolessでは入力された文章がAIの学習に利用されることはなく、サーバーにも保存されないため、安心して校正ができる。

「朝日新聞社では1本の記事に対して、記事を書いた記者のほかに編集デスクや校閲担当者など、少なくとも6名が校正・校閲を行っています。この校正履歴と40年分の記事データを学習したAIを搭載しているのがTypolessです。他社よりも、検知精度が優れているという結果が出ています」と朝日新聞社 メディア事業本部 ビジネスソリューション部の福原裕人氏は話す。

Typolessでは、誤字、脱字や誤変換の指摘はもちろんのこと、助詞「てにをは」、同音異義語なども確認してくれるので「恥ずかしいミス」を防ぐことができる。記者も活用している約10万個の校閲ルールが詰まった「ルール辞書機能」では、「役不足」「割愛する」などの誤用しやすい語句の誤り、重言、過剰な敬語、地名ミスなどを指摘する。

なかでも利用者からの評価が高いのが、「ルール辞書機能」に含まれるダイバーシティ&インクルージョンに配慮した言葉が登録されているカテゴリーだ。不適切とされる表現は、刻々と移り変わっていくものだが、「ルール辞書機能に登録されている情報は、記者も使っている校閲用データをもとに3~4カ月ごとに更新していきます」と、メディア研究開発センターで開発を担当する倉井敬史氏。広報実務の改善を後押しするサービスとなっている。

『広報会議』編集部でTypolessを実際に使ってみたところ、例えば「女性ならでは」と入力すると「前後のニュアンスも含め、表現の検討を勧めます。性別により役割、職業を固定化する表現」と、指摘が瞬時に表示された。また「父母会」と入力すると「保護者は父母だけとは限らない。『保護者会』などに」と、別な表現の提示もされた。原稿をチェックする人だけでなく、原稿を執筆する人もツールを利用することで、より効率的な発信ができそうだ。

図1「Typoless」でできること

図2「Typoless」の画面イメージ

社員の発信の質を担保

Typolessは、広報部門でプレスリリースやメール発信の校正をする際に活用できるだけでなく、各事業部門の担当者が発信する際にも活用が期待できる。例えば商業施設では、店舗ごとに投稿しているSNSの内容を事前にチェックするなど、広報部門がすべての文章を確認するのは難しいシーンでもTypolessは頼りになる。事業部門が自発的な情報発信をする機会において、不用意な発信によるブランド毀損リスクを抑えることができるというわけだ。

また企業によっては、製品名の表記の仕方など社内独自の表記ルールが存在するケースもあるだろう。「カスタム辞書機能」を使えば、表記ルールを追加登録できるので、バラバラな表記を検知し指摘してもらえる(社内辞書のインポートも可)。統一表記が課題になっている広報担当者にとっては便利な機能であり、発信の質向上、業務改善が期待できそうだ。例えば、「はちみつ」という言葉が出てきたら「1歳未満の乳児に対する警告表示の検討」と注意喚起するなど、広報視点で社内を啓発していく使い方もできる。

さらなる機能開発へ

2024年1月、Typolessは、API連携機能の提供を開始。CMS上などでのTypolessの利用が可能になったため、オウンドメディアサイトの校正などでも活用しやすくなった。

また、利用者からの要望を受け、広報業務でよく活用されているWordやPDFなどでもTypolessの機能が活用できるよう、開発を進めている最中だという。今後は、固有名詞のチェック機能の実装にも取り組む予定で、「誤字のない世界」を目指し、開発が進んでいる。

Typolessを1名で利用する個人向けプラン、複数名で利用する法人向けプランがあり、無料トライアルも実施している。これを機会に、言葉のプロの知見を借り、企業ブランドの毀損を防ぐために、自社の発信の質を上げてみてはいかがだろうか。

CHECK!
無料トライアル実施中

法人向け30日間、個人向け14日間無料で「Typoless」が使えます。AI校正を試してみたい方、プラン詳細を知りたい方は下記をご覧ください
https://typoless.asahi.com/

朝日新聞社
メディア事業本部
ビジネスソリューション部
福原裕人氏

メディア研究開発センター
倉井敬史氏

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