報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
ディスカバー・ジャパン『Discover Japan』DATA | |
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創刊 | 2008年7月 |
発売日 | 毎月6日 |
平均発行部数 | 10万部 |
編集体制 | 編集者約5人+外部の編集者やライター |
2008年創刊の『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』は「ニッポンの魅力、再発見」をコンセプトにした月刊誌だ。
日本文化や地域文化を知りたい人のための“入門書”として、伝統工芸や伝統芸能、地場産業、食文化、風土などの魅力を伝えている。
主な読者層は知的好奇心が旺盛な20代~50代の男女。組織の意思決定層やクリエイティブ職、行政機関に務める公務員などが多く含まれているのが特徴だ。
時流に即した切り口で特集
編集長の高橋俊宏氏は編集方針について「新しい魅力を無理やり見つけ出すというよりは、日本に元々ある魅力を再発見して、それを再編集して現代的に素敵に思ってもらえるようアップデートし、再発信するということを目指しています」と語る。
特集テーマを決める上で重要なポイントは「日本文化×時代性」だ。同誌がこれまで扱ってきたテーマは、お茶や禅、武士道など、普遍的なテーマも多い。だからこそ、時流に即した切り口や、なぜ今注目する意義があるのかを伝えることで、現代人が楽しめるコンテンツにしているのだ。
2023年10月号の「私を癒す15の旅。」のテーマは「日本文化×ウェルビーイング」。近年注目が集まる「ウェルビーイング」という言葉を、『Discover Japan』では旅の切り口で捉えた。2023年9月号の「木と生きる」のテーマは「日本文化×SDGs」。昨年11月末にはドバイでCOP28が開催されたほか、2024年4月には森林環境税の課税が始まる。カーボンニュートラルやサステナブルへの意識が高まり、個人にとっても企業にとっても大きな関心事である環境の話題について、日本人が大昔から慣れ親しんできた「木」や「森」の観点から特集化した。
コロナ禍や世界情勢の変化などを経て、日本国内へ改めて注目するローカル志向も高まっている。日本の魅力を再発見してきた高橋氏は、ここ数年の動きについてどのように捉えているのだろうか。「以前、飛騨高山で古民家を改修した民藝店を取材しました。その店主の方から、創刊付近の『Discover Japa…