ステークホルダーの拡大にSNS発信も担うなど、広報領域は年々、拡大。さらにこのコロナ下で状況判断が難しくなる中、次代の広報パーソンにはぜひベテラン広報の声に耳を傾け、広報活動の醍醐味を感じてもらいたい。
地域の、未だ秘めた魅力に光を当て、次の動きにもつなぐ、これぞ広報の力!
流山市民有志の方々が、飲食店のテイクアウト店舗をアプリでマッピングして応援する企画をしました。「流山テイクアウトマップ」といって、店名検索などでテイクアウトできるお店を探すことができます。その他、市民の実行委員会主催で、修学旅行が中止になった市内の小学校の6年生を対象に、企業とコラボして「オンライン修学旅行」が開催されました。
こうした市民発の活動を「市民力」として市のSNSなどで紹介することによって反響を生み、新聞やTVなど、広く拡散することができました。
危機や大変なときこそ、できることで助け合う気持ちやつながりが強くなることが可視化され、自分もやってみようという気持ちをも醸成されました。埋もれている魅力に光を当てることで次の動きにもつながる、これぞ広報の力。この仕事をやってきて本当に幸せだと実感しました。
今後求められる広報スキル
編集力
これからは、すでに見えている魅力をアピールするだけでなく、埋もれている魅力を人とのかかわりの中で発掘し、磨いて最適なタイミングで外に出す力がより求められると思います。
広報担当者は必読!私のおススメ本
ハウ・トゥ アート・シンキング
閉塞感を打ち破る自分起点の思考法
若宮和男/著
実業之日本社
なぜいまビジネスにも人生にも「アート」が求められているのか?アートに精通し、ビジネスの現場にアーティストの思考を取り入れる、実践者でもある著者がまとめた。
光らないイルミネーション!逆風も広報の腕次第で魅力的なコンテンツになる好例
2011年のクリスマス。この年は東日本大震災と原発事故の影響で全国的に電力不足が懸念されていたため、街からクリスマスイルミネーションは消えつつありました。我々は「クリスマスイルミネーションで日本全体を元気にしたい」という思いを掲げて、玉川大学芸術学部の学生たちが開発したソーラー発電のイルミネーションをホテルに点灯させることにしました。
しかし、試験点灯では天候により光らないことが多々発生。それであればとリリースの表題を「クリスマスecoイルミネーション~光らないイルミネーションとは?~」として逆説的な投げかけをしたところ多くの取材を受ける結果に。
何より報道を見て集まったお客さまが光ったり、光らなかったりするイルミネーションを見て笑って、喜び、感動し泣いているではありませんか!この光景を目の当たりにし、広報活動は単にPRだけではなく、多くの人に感動と勇気と元気を与えられる仕事なんだと実感し、心から誇りに思いました。この体験を糧に今も広報頑張っています!
今後求められる広報スキル
相手の立場でものを考える力
広報で大切なことは誰に何を伝えるべきかを明確にしていくことです。それには伝える先の人を想像し、その人達に刺さるストーリーをリリースなどに込めなくてはなりません。
ベテランが教える
ワンポイントアドバイス
新聞各紙を読むこと。特に見出しとリード文。リリースをつくる上で非常に参考になります。
新市場ならではの課題 ルールづくりなど、社会との軋轢を解消する重役担う
私の考える広報の醍醐味は、短期的な広報施策に対するメディア露出の多寡ではなく、①自社のありたい姿に向けた一貫性のあるメッセージと、②それを体現する広報施策の中長期的な積み上げによって、社会の認識が変容していく様を内側から体感できることです。
当社の基幹事業であるフリマアプリ事業は市場創生から歴史が浅く、社会認識やルールが発展途上であることから、高額転売問題はじめ、意図せぬ形で社会との軋轢が生じることも少なくありません。
例えばコロナ禍などのパンデミック下でマスク・消毒液などの需給バランスが一時的に崩れ、様々な影響が出てしまうケースもあります。そういった課題に対して、各種広報施策(外部有識者とともに策定した...