新型コロナの感染拡大の影響への対応、近年重要視されつつあるサステナブル視点……。社会の潮流に合わせた独自の切り口で、SNS上でステークホルダーとの接点を創出し、企業・団体の価値向上につなげている公式アカウントの投稿を6つ紹介。投稿の経緯や方針を担当者に聞きました。
FILE①
全日本空輸
ANA.Japan(Facebook)
DATA | |
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アカウント運営担当部門(部署) | ANA X デジタルマーケティング部 |
投稿しているメンバーの人数 | 3人 |
開設年 | 2011年1月 |
フォロワー数 | 約186万人 |
開設アカウント | Twitter Facebook Instagram |
コロナ下で搭乗機会の減少
顧客接点を生み出す企画で社内モチベーションにも
コロナ下において、飛行機への搭乗機会の減少、またANAグループで実施している機体工場見学も休止となりました。それに伴い、お客様と直接お目にかかれることが少ない中、皆さまに空の旅への気持ちを忘れないでいただきたいとの思いを込めて、企画から配信まですべての行程を、ANAグループの社員で実施しました。
機体工場見学のオンライン配信は、初の試みでしたが、約1.2万の「いいね!」および約1700件のコメントと大変好評でした。リアルタイムでフォロワーの方々とつながることができ、ライブへの感想や、ANAグループへの温かい応援のお言葉をたくさん頂戴し、私たち自身、励みにもなりました。
再生回数は5月現在16万回に達し、今後もいつでもどなたでもご覧いただけるよう、ANAグループのYouTubeアカウント「ANA Global Channel」へも掲載しています。8月からは国内線機内オーディオでもご覧いただけるようになる予定です。
運用に関しては、ANAグループの行動指針である「あんしん、あったか、あかるく元気!」を、各アカウントの投稿を通して感じていただけるよう意識しています。
また各アカウントの特性やフォロワー層を分析し、より効果的な投稿となるよう、テキストの構成や写真の選定は、注力して行っています。特にコロナ下においては、空の旅への気持ちをお客様に持ち続けていただけるよう、「飛行機」や「旅」を想起していただけるような話題を意識して取り上げています。
その他の投稿
FILE②
太田記念美術館
@ukiyoeota(Twitter)
DATA | |
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アカウント運営担当部門(部署) | 学芸部 |
投稿しているメンバーの人数 | 3人 |
開設年 | 2012年8月 |
フォロワー数 | 約14万7500人 |
開設アカウント | Twitter Youtube note |
休館中の美術館
作品でエールを届け開設以来最高のRT数に
2020年3月、新型コロナの影響で臨時休館となりました。その間、自宅でも浮世絵を楽しんでもらおうと、「#おうちで浮世絵」のハッシュタグを付け、心が穏やかになる浮世絵や、病気や災いを退散させるための浮世絵を毎日紹介し続けました。2021年4月、3回目の緊急事態宣言により、再び臨時休館となったため、つらい思いをされている方たちの気持ちが少しでも和むよう、再び「#おうちで浮世絵」の投稿を実施することにしました。
「#おうちで浮世絵」全体としては、毎日のツイートを楽しみにされている方も多く、通常のツイートよりも何倍も多い反応をいただいています。中には、約1万3000という歴代最高のリツイート数となったツイートもあり、その影響か、ほぼ頭打ちになっていたフォロワー数が、4月以降短期間ながら3500人以上増えました。改めて絵には不安な気持ちを和らげてくれる力があることを実感しました。
SNSでの発信は、浮世絵の面白さを知ってもらうことが一番の目的です。専門の学芸員が、鑑賞してもらいたいこだわりのポイントを、拡大図と合わせながら、分かりやすく紹介しています。ただし、主役はあくまで作品。学芸員の個人的な思い入れやネタにしようという意識が出てしまわないように、常に客観的な目線で作品の魅力を発信しています。また、学術的に間違った情報を書いてしまわないよう、思い込みにとらわれず、必ず参考文献を確認するようにしています。
FILE③
日本マクドナルド
@McDonaldsJapan(Twitter)
DATA | |
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アカウント運営担当部門(部署) | 非公開 |
投稿しているメンバーの人数 | 非公開 |
開設年 | 2010年8月 |
フォロワー数 | 約347万1000人 |
開設アカウント | Twitter Facebook Youtube |
同社商品を擬人化
メッセージに思い出を重ねるファン続出
コロナ前までは店舗で積極的にお客様と対面でコミュニケーションを行っていましたが、それがなかなかできない状況において、対面以外でもお客様とつながることができないかと検討していました。
そこで2021年、学校を卒業される学生の皆さまだけではなく、多くの方々が経験のある「卒業」というタイミングで、学生時代からなじみ深いと思われる「チキンマックナゲット」から応援メッセージとしてお伝えし、お客様とエモーショナルにつながり、絆を深められればと思い、この投稿を行いました。
ご自分の卒業の時を思い出しての感想、これから卒業される方へのエールなどの好意的なコメントや、リツイートを含め多くの...