2018年8月、法整備により国内での乳幼児向け「液体ミルク」の製造販売が可能となった。これを受け、江崎グリコが2019年3月に紙パック製品を、明治が4月に缶製品を発売。防災用の備蓄はもちろん、授乳の負担を軽減する製品として啓発・啓蒙を進めている。
明治は3月13日、4月に発売する「液体ミルク」の新商品発表会を都内で開催した。当日、集まった報道陣は約250人。広報部によれば「この数年で開催した記者発表会では最大規模」であり、注目度の高さを実感したという。
当日は松田克也社長が登壇。明治の粉ミルク開発の歴史を振り返りながら、経営計画である「明治グループ2026ビジョン」のもと「乳幼児の栄養を守る社会的使命」について語った。その具体策が、今回の「液体ミルク」の商品化であると示したのだ。
震災の発生が法整備の契機に
明治では計量の手間が省けるキューブタイプの粉ミルク製品を2007年に投入しているが、液体ミルクは日本国内では厚生労働省の定めがなく製品化がかなわなかった。
液体ミルクのメリットは常温で一定期間保存でき、そのまま哺乳瓶に移して飲ませることができる点。哺乳瓶の手入れが難しい場合は、使い捨て紙コップなどで代用することもできる。役立つのは災害時だけではない。育児をする父親、子育てをしながら働く母親の負担軽減にもつながる …
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