2018年9月に新業態の店舗「ワークマンプラス」を立ち上げ、今期は前期比11.2%増の業績予想を立てているワークマン。その成長のカギを握るのはインフルエンサーたちだった。
ワークマンプラスのローンチからちょうど1周年を迎えた2019年9月5日、東京都内でワークマン初のファッションショーが開かれた。その名も「過酷ファッションショー」。ランウェイに大雨や大雪を降らせ、会場いっぱいに詰めかけた約60社のメディアに商品の機能性をアピールした。
この日登壇した土屋哲雄専務取締役が紹介したのが、7月にスタートした「ワークマンアンバサダープロジェクト」。ここ数年の急成長のカギである"インフルエンサー"を組織化し、商品開発や広報活動における連携を強化していく考えだ。
新規市場開拓のためPB開発
ワークマンの主力商品は作業服であり、中心顧客は建設土木や製造業などの現場で働く人たち。毎年、新製品を発表する3月と9月にはメディア向けの新製品発表会を開き、同時期にブロガー向けの説明会も行ってきた。営業企画部の林知幸氏(販売促進グループマネジャー)は「当社の商品は、プロの技術者の方に機能性を理解していただくことが重要です。そのため、長い文章で細かい機能まで紹介していただけるブログへの露出が適していると考えていました」と説明する。
ただ、今回からはブロガーに限らずYouTuberやインスタグラマーなどを含めた"インフルエンサー"に声がけ。メディア向けファッションショーの後に、第2部として彼らを招いてショーを行った。
その目的は、新規市場の開拓だ。同社はリーマン・ショック後、前年比2~3%の伸びが続いていたものの、そこから抜け出せず「5~6%伸ばすこと」が課題だった。そこで、2011年ごろから一般顧客の需要も見込んだプライベートブランド(PB)開発に力を入れ始め、2016年には3ブランドを発表。それがアウトドア系インフルエンサーの目に留まったのだ。
女性に注目されるブランドに
ブログやSNSでツーリングやキャンプなどのアウトドアシーンで商品を利用する様子が紹介され、しだいに店頭から在庫がなくなる商品も出てきた。例えば...