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「働き方改革」で変わる 社員向け広報の役割

社内ムーブメントを巻き起こせ! 急成長ベンチャーの「働き方」

ソニックガーデン/freee/ウィルゲート/Sansan

ベンチャー企業にとって、従業員が「働きたくなる会社づくり」はまさに生命線。対外的な認知獲得やブランディングの側面からも、その価値が競争力となります。ここでは急成長中の4社が実践する「社内ムーブメント」の生み出し方に迫ります。


ソニックガーデン 代表取締役社長 倉貫義人(くらぬき・よしひと)
大手SIerでプログラマーやマネージャーとして経験を積んだのち、社内ベンチャーを立ち上げ。2011年にMBOを行い、ソニックガーデンを設立。著書に『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)など。「心はプログラマー、仕事は経営者」がモットー。

freee 広報 経営企画チーム マネージャー
定田充司(じょうでん・あつし)

2008年に東京証券取引所グループに入社。取引所では、ロンドン証券取引所との合弁企業の立ち上げ、アジアのスタートアップや日本の中小企業に対する上場誘致を担当。2012年から日本貿易振興機構(JETRO)に出向し、ベトナム駐在時はリサーチ業務に従事。2017年freeeに入社し現職。

ウィルゲート 広報チーム 横塚麻瑶(よこづか・まよ)
2014年に新卒入社。2016年4月から副業制度を利用し、ライブストリーミングプラットフォーム「FRESH!」でゲーム女子会チャンネルを開設。2016年10月にCandeeとともにCOMPLExxxを創業。スマホ特化型のタレント輩出を行いながら、ウィルゲートの広報を務める。

[ファシリテーター]
Sansan コネクタ 日比谷尚武(ひびや・なおたけ)

NTTグループ、KBMJを経て2009年からSansanに参画。マーケティング&広報の立ち上げに従事。並行して社外の各種プロジェクトに携わる。PR Table 社外取締役、一般社団法人at Will Work 理事、日本パブリックリレーションズ協会広報委員なども務める。

在宅ワーク推進でオフィス廃止

日比谷:Sansanの広報やエバンジェリストを務めつつ、「働き方」をテーマに活動している一般社団法人at Will Work理事の立場から、今回はファシリテーターを務めさせてもらいます。まずは皆さんの会社が働き方についてどのように取り組んでいるのか教えてください。

倉貫:ソニックガーデンはソフトウェアの受託開発が主な事業です。特徴的なのは、全社員がリモートワークをしていることです。もともとはオフィスを構えていたんですが、社員の半数以上が地方在住者だったので、やがて「東京の社員も出社する必要がないのでは」と。今はオフィスもありません。

横塚:オフィスがない!? 最初からかなりインパクトのある取り組みですね。

倉貫:お客さんのところに出向くこともありませんし、メンバー同士のコミュニケーションもテレビ会議などで済ませています。

定田:ソニックガーデンさんとは対照的ですが、freeeでは社員がオフィスに来ることを前提にしています。当社はクラウド上の会計ソフトや人事労務ソフトが主力です。単純作業の多いバックオフィス業務を人工知能などの最新テクノロジーを使って自動効率化し、ユーザーが生産性の高い活動にフォーカスしていただけるような社会の実現を追求しています。そんな革新的なサービスをつくるためには、コミュニケーションが欠かせないと思っています。それも、顔と顔を突き合わせたコミュニケーションです。そのため、オフィスに来る以上、社員が働きやすいと思える空間をつくることに注力しています。

倉貫:どのようなことに取り組んでいるんですか。

freee(フリー)

2012年設立。従業員数は300人。全自動の「クラウド会計ソフト freee」や「人事労務 freee」を主力サービスに事業を展開。働き方や仕事の割り振りをともに考える「weekly 1on1」や飲み物や軽食・夕飯の無料支給など、コミュニケーションや福利厚生を重視。

社員間のコミュニケーションを重視するfreeeは、快適に過ごせるオフィスが特徴。地下の執務スペース(写真上)は窓がないのを逆手にとり、リラックスできるようあえて照明を落としている。

定田:例えば、オフィスにソファを置いたくつろげるスペースがあり、リラックスして仕事をしたり談笑したり、仮眠したりできる空間を確保しています。社員一人ひとり、オンとオフのタイミングは違うはずという考えのもと導入しました。

横塚:確かに、テンションを切り替えるタイミングは人によって違いますからね。

定田:そうですよね。社員一人ひとりの個性を大事にして、制度設計もしています。コアタイムの時間帯にはオフィスで勤務する、もしくは外にいても何かあるときに駆けつけられれば、時間の使い方は個人の裁量に委ねています。

倉貫:眠ってもOK、という。

定田:そうです(笑)。経験上、その方が仕事の生産性も上がりますよね。

横塚:ウィルゲートは今年で12期目を迎え、社長は31歳と比較的若い企業です。そんな当社ですが、創業時に社員の3分の2に辞められた経験があり……。

倉貫:出だしから波乱万丈ですね。

横塚:そうなんです。そんな状況もあって、以降新たに採用するときは履歴書の内容ではなく、とにかく会社の理念に共感してくれる人を選ぶことになったんです。そんな採用活動を続けてきて、今では会社の雰囲気も大きく変わり、働きがいのある会社を表彰するアワードでも選出いただけるようになりました。最近では、2016年の4月に副業を解禁したことが大きな動きでしたね。

日比谷:横塚さん自身も会社を経営しているんですよね。

横塚:そうです。会社も私の起業を応援してくれていて、ありがたいです。

定田:私たちの会社にも副業をしている人もいれば、フィリピンのセブ島に移住して業務委託で働いている人もいますよ。

肩肘張らずに「働き方改革」

日比谷:皆さんの会社が働き方の改善に取り組もうと思ったきっかけは何でしたか。

倉貫:「働き方改革」という言葉が流行っていますが、そもそも「働き方を変えよう」って思ったことはないんですよね。

定田:それ、同感です。

倉貫:ですよね(笑)。なので、特段「働き方を見直そう!」とターニングポイントになった出来事もなくて。

横塚:ということは、創業当初からリモートワークが当たり前だった?

倉貫:そうなんですよ。僕たちの会社は5人で起業したのですが、新たに人を採用するときに「勤務地不問」で募集したら、とんでもない場所から応募があったんです。よくよくその人に話を聞いてみたら「僕は妻のことが大好きなので、単身赴任はしたくないんです」と。それで、在宅勤務社員が誕生しました。

日比谷:なかなか面白いエピソードですよね。freeeさんはいかがですか。

定田:うちも働き方改革を意識して取り組んではいないですね。freeeはもともと、代表である佐々木(大輔氏)のマンションのリビングからスタートした会社です。好きなときに飲んだり食べたり、自由に仕事ができた当時のコンセプトを引き継いで今があるんです。

横塚:働き方改革に乗っかろうというより居心地のいいオフィスをつくろうとして、気づいたらこうなっていた、と ...

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