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「企業リスクと広報対応」10年史

トップを引責辞任に追い込んだ 不二家「初期対応ミス」の功罪

不二家 期限切れ牛乳使用問題

2007年1月〜
不二家 期限切れ牛乳使用事件

『PRIR』(2007年3月号)特集「不二家で学ぶ 危機の広報」より。

    「親しみやすい」イメージ一変

    2007年1月15日、16日に宣伝会議が首都圏在住の専業主婦300人を対象にアンケート調査を実施した結果、「不二家が洋菓子を販売再開したら購入したいと思いますか」という問いに対し、「不二家の対応を見て決める」51.8%、「購入しないと思う」という回答が32.9%に上り、厳しい姿勢を見せる消費者が多数。ペコちゃんのキャラクターで親しみやすさを感じていた消費者が多かっただけに、ブランドイメージは大きく傷つく結果にとなった。また、『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS)で真偽が不確かな情報を伝えるなど、報道の過熱化も問題視された。

2007年1月10日、食品業界に激震が走った。老舗洋菓子メーカーの不二家が製造したシュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していたというニュースが報じられたのだ。

翌11日、藤井林太郎社長(当時)が会見で謝罪し、同社のずさんな衛生管理が明らかになった。また、同社がこの問題の事実関係を把握してから2カ月以上公表しなかったことや、時間が経過するごとに新たな事実が発覚し情報が変化していったこと、そもそも最初の報道のきっかけが社員からの内部告発によるものだったことなどから、「隠ぺい体質だ」とメディアの批判が集中した。

すでに退職したパート社員へのコメントや販売店オーナーの補償問題などに関する報道までもが次々と飛び出し、連日各社の社会面を飾る事態に。同1月22日には …

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