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販促会議 企画コンペティション

「初応募コンビ」によってつくられたユニット取り組む中での突破口は「無邪気にアイデアを広げていく時間」

今瀬明仁氏、川島優香氏(電通デジタル)

「販促会議 企画コンペティション(以下、販促コンペ)」の受賞者にインタビューする特別企画。今回は第15回「販促コンペ」のゴールドに輝いた「ペタッとQR」企画者の今瀬氏、川島氏の2人に取材。受賞したのは、ピクシブの課題「グッズ作成サービス『pixivFACTORY』でオリジナルグッズを作りたくなるアイデア」に対して、イラストや写真といった身近な作品に貼られたQRコードを読み取ると、鑑賞者がグッズ化できるというもの。企画背景や制作の裏側、受賞後の変化について話を聞いた。

初応募者同士の出会い 業務外の経験値が企画に

──2人の普段の仕事について教えてください。

今瀬:エクスペリエンスデザイナー、プロデューサーとして、デジタル上の体験設計やコミュニケーションプランニングを行っています。

川島:私は、クリエイティブプランナーとして、マーケティングからクリエイティブ領域まで一気通貫した、媒体を問わない統合プランニングを設計しています。

──これまでに「販促コンペ」への応募経験はありましたか。

今瀬:2人とも、今回が初めての応募だったんです。

川島:応募のきっかけは、もともと社内でいろいろ挑戦しようとユニットを組んでいたことです。「販促コンペ」への挑戦は初めてでしたが、贈賞式の日は偶然にもユニットを組んだ日からちょうど1年が経った記念の日で。ここまでユニットとしてやってきたことは間違いなかったと思いました。

──2人とも初めての応募だったのですね。今回の受賞企画が生まれたきっかけは何だったのでしょうか。

今瀬:お互いの、実体験から感じていた小さなモヤモヤが、企画のタネになったかもしれません。

川島:そうですね。私は仕事とは別にイラストを描いているのですが、過去にクリエイター側として、今回の課題となったピクシブさんのサービスと似たものを利用したことがありました。その時、自分のイラストをグッズ化しても「売りにつなげるのは難しい」と思う部分があって、結果、サービスの利用が続かなかった経験がありました。

今瀬:僕も、知人の展覧会に行ったときに、応援の気持ちも兼ねてグッズがあれば買いたかったのですが、販売されていたのは高価な原画のみで。高価なものは気軽に買えないし、でも他に売られているものもないし……といった状態にもどかしさを感じた経験がありました。その後、川島さんから漫画の1ページだけを展示しているカフェの存在を聞いたり、「商業施設とか、展示されている作品は街に溢れているよね」と話したり。そんな日常の気づきを共有していったことで、「ペタッとQR」が生まれていきました。

What to sayとフラッシュアイデアを大切に

──他にも出た案はありましたか。

今瀬:「ペタッとQR」を含む計3つの案を同時並行で考えていました。課題はピクシブさんのものに絞り、当初は教育文脈で方針を定め、企画を考えていきました。そこから様々な方向にアイデアは派生していきました。最終的には「ペタッとQR」の他に、教科書を使った案や、未来の自分に作品を届けるタイムカプセル式のアイデアも出ていましたね。

──企画時は、特にどんなことを意識していましたか。

今瀬:“What to say”をどうするか、長い時間をかけて考えていました。素案が出たのが締め切りの1週間前とか。今振り返ってみれば、かなりタイトなスケジュールで進めていましたね(笑)。私たちは性格上、どうしても真面目なアイデアに偏ってしまいがちで。思いついては「おもしろくない!」ということを繰り返し、なかなか自由に発想することができないでいました。

川島:なので、「私たち、今日は自由にいきませんか?」と、これまで考えたこととは全く関係ないアイデアをとにかく出すということもしていましたね(笑)。そこで生まれたもうひとつの応募企画がタイムカプセルのアイデアでした。

今瀬:ここまで組み立ててきた考え方の土台があったからこそ、そこから一見関係ないようなアイデアも生むことができたのだと思います。

どうしても真面目にロジックを組み立ててしまう私たちですが、その中でアイデアのタネをたくさん絞り出せたおかげで、最終的にはその中から重要なものをピックアップし、つなぎ合わせることで、納得のいく企画を組み立てることができたのだと考えています。

販促コンペは「やる価値しかない」120%への挑戦、まずは応募から

──応募後の所感はいかがでしたか。

今瀬:企画を形にし、しっかりと提出できただけでも、やり切った達成感はありました。また個人的に得意とする、人が動く体験設計も反映した企画にできたのではないかなと、手応えを感じていました。ただ、振り返ってみると、企画に100%の力を注いでいたため、ネーミングやコピーはもう少し考えることができたのではないかと反省しています。

川島:私は、提出期限の数秒前まで調整していたこともあり、正直手応えはあまりわかりませんでした。ただ、今瀬さんが得意とする体験設計と、自分が常に意識している「売れるクリエイティブ構造」を掛け合わせることができたのかなと感じています。

──次回の応募者に一言お願いします。

今瀬:初めての応募を終えて、「販促コンペ」に対して思うのは、「取り組んで、良いことしかない」ということです。業務外での自己研さんという観点においても、これ以上ない取り組みとなりました。また、自身が企画に取り組んだことで、他の受賞者の方の企画から参考にできる部分が多いことを実感しました。これは、これから先、新たに多くの企画に取り組む際の糧になると実感していますね。

川島:まずは、普段感じている一つひとつの要素は企画に生きるということ。私も今瀬さんも、自身の経験を掘り起こしたからこそ、「ペタッとQR」という企画が生まれました。日々感じたことや気になったことを書き留めておくことをおすすめしたいです。

そして2つ目に、120%を目指す前に、まずは提出してみること。私たちもつい100%の企画やそれ以上を目指すがゆえ、心が折れ、提出を諦めそうになる瞬間が多々あったのですが……。今回の応募経験から、まずは提出してみることも大事だなと思いました。

また、なにより、機会をつくっていただいた事務局やピクシブのみなさま、審査員の方々、何度もフィードバックをくださった先輩方や後輩、そして相方の今瀬さんのおかげで受賞できたと思います。この場を借りて、お礼を伝えたいと思います!

電通デジタル
今瀬明仁氏

エクスペリエンスデザイナー、コピーライター、プロデューサー。得意とするのは、ユーザーの快適な体験を軸とした、目的達成型クリエイティブ。「良いデザイン=これ以上引くものがない状態」を信条とする。

電通デジタル
川島優香氏

早稲田大学人間科学部卒。2018年に入社後、2021年にクリエイティブに異動。マーケティングからクリエイティブ領域まで一気通貫した、売れるクリエイティブ構造を目指す。主な受賞歴に、LINE Planning Contest 2021 Finalistなど。

    次回、第16回「販促会議 企画コンペティション」は2024年4月1日より応募を開始する予定です。詳細および最新情報については今後発売される月刊『販促会議』をご覧ください。

    また、ご協賛いただく企業の募集も受け付けています。幅広い視点から企画が集まる「販促コンペ」は、応募作品を実際の広告制作や広告展開に生かせるだけでなく、商品・サービスの新しい切り口の発見にもつながるといったお声をいただいています。お問い合わせは、販促コンペ企画コンペティション事務局まで
    (TEL:03-3475-3010 MAIL:spc@sendenkaigi.com)

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