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デジタル時代、これからのOOH活用

「持ち帰りづらい」ピールオフ広告 逆算思考の展開方法とは

ポニーキャニオン、CHOCOLATE

渋谷駅に掲出されたOOH広告が話題を呼んでいる。その名も“持ち帰りづらい”ピールオフ広告。講談社『別冊フレンド』で連載中の漫画『お嬢と番犬くん』テレビアニメ版の広告だ。極道一家のお嬢・瀬名垣一咲と、過保護な若頭・宇藤啓弥を中心とした物語は、発売4年目で累計250万部を突破し、2023年9月からはテレビアニメの放映を順次開始。同月、放映に合わせた広告展開を渋谷・新宿で実施した。今回、戦略から展開後の効果検証までを、宣伝を担当するポニーキャニオン 大貫愛美氏、制作を担当したCHOCOLATEのまるそう氏に聞いた。

同作品の主要人物・宇藤啓弥のキャラクター性を表現するべく、「俺がずっと守ってあげます。『番犬』宇藤啓弥」のコピーと共に展開した本施策。渋谷駅地下通路に掲出された、前例が少ないキャラクターの“等身大”サイズのピールオフ広告。掲出後は多くのファンが集まり、告知から約2時間で配布が終了する盛況ぶりとなった。大貫氏は、施策進行当初から、OOH広告での展開を決めていたと話す。

「限られた範囲でターゲティングされてしまうデジタル施策とは異なり、ターゲットを絞らずに広く宣伝できる点がOOHの魅力。これまで複数の作品のプロモーションを経験してきた中で、掲出自体が、作品そのものの“盛り上がり感”を醸成できる点も、OOHならではの特性だと感じています。特に本作品の宣伝ではマスへの訴求力を重視したく、作品の期待感を醸成する目的でもOOHは必ず行いたいと考えていました」(大貫氏)。

さらに、渋谷と新宿の2カ所で展開した理由は、ターゲット層を意識したからだと大貫氏。若年層を幅広くカバーするため、両地域を選定したという。「本展開で定めたターゲット層と目的は、主に2つです。まず、原作コミックスの既存ファンに向けて、アニメへの期待感を醸成すること。そして、キャラクター・宇藤啓弥をフックとした、新規ファンの獲得です」(大貫氏)。

漫画やアニメなどのコンテンツを訴求する広告の展開場所には、“アニメの街”としての存在感を高める池袋や秋葉原といった、熱狂的なアニメファンが集まるエリアをイメージする人も多いのではないだろうか。

しかし、今回は、若者向けの新たなトレンドが集まる渋谷、そしてビジネスパーソンや観光客に人気のショッピング街として知られる新宿への出稿を決めた。コアなアニメファンが多いエリアではなく、あえて多くの若年層が行き交う渋谷や新宿で展開することによって、新鮮な反応を引き出し、盛況につなげるのが狙いだったのだ。

テレビアニメ『お嬢と番犬くん』は、現在TOKYO MX・BS朝日・読売テレビなどで放送中。キャストには、声優の鬼頭明里さんや梅原裕一郎さん、榎木淳弥さんらを起用している。

ピールオフの特性を逆手にとるOOHから生まれる波及…

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