非接触が主流となったコロナ禍において、ライブコマースを取り入れ、オンライン接客でも売上をあげている企業が増えている。2020年からライブコマースに参入し、ノウハウを蓄積してきたファンケルの江原氏が、リアルとの違いや取り入れる際のポイントについて解説する。
2020年4月の緊急事態宣言により外出が制限される中、お客さまとの繋がりが断たれないようオンライン接客を強化する企業が増加。当社でも、オンラインカウンセリング、オンラインイベントと共にライブショッピングの取り組みを開始しました。
当社では、常に「その商品はお客さまに喜んでいただけるか?」「安心して使っていただけるか?」「責任をもってお届けできるか?」と日々考えながら、取り組んでいます。そういった取り組みをお客さまに実感・体験いただく一つが、店舗や電話相談窓口のスタッフなど、人を通じたコミュニケーションです。
「人」を通じて伝えることで、企業理解は圧倒的に深まります。店舗や電話という限られた場面でしか実現できなかった顧客体験を、コロナ禍を機にデジタルを活用し、今まで以上に、広く、多くの人に伝えたい。そこで、当社ではライブショッピングにこだわり、開始から2年間で、延べ視聴者数は約45万人、累計回数は100回を超えました。

ライブコマースでは視聴者からのリアルな反応が得られる。
画面越しの接客だからこそ大切なこと
オンライン接客は店舗接客と同じ「接客」ですが、必要とされる共通スキルと独自スキルが存在します。共通して必要なことは「商品知識」と「お客さまを想う気持ちと感謝」という基本的かつ当たり前なことです。
店頭での接客に比べ、目の前にお客さまがいないオンライン接客は、一方通行の話し方になりがちです。画面越しの接客だからこそ、何気ない発言の中での気遣いや心くばりが、お客さまへの気持ちとして表れ、お客さまとの距離感となって伝わります。例えば当社では、オンライン接客も「お客さまの前に立つ」という考えから、髪や服装などの27項目の身だしなみチェック表や、伝える力と基本の発声方法のマニュアルなどを作成し、店頭と同じ意識で取り組んでいます。
オンライン接客は接客なのか?販売なのか?
店舗スタッフは、来店されたお客さまを接客でおもてなしをします。お客さまとの会話のラリーで悩みやニーズを理解しながらパーソナルな提案をします。お客さまの多くはある程度商品に関心をもち、お買い物を目的に来店され、スタッフは...