人手不足を契機に、店舗DXに乗り出す企業は少なくない。様々な業務で自動化を推進する動きが加速する中、接客においても自動化が進んでいる。効果的な自動化を実施するために、求められるのはどのようなことか。その方法や、自動化のメリット・デメリットを、USENの伊藤直嗣氏が解説する。
店舗DXと聞くと、どんなものを思い浮かべるでしょうか。
店舗におけるDXサービスの代表的なモノとして、オーダーシステムが挙げられます。ひとえにオーダーシステムと言っても、その中には従業員がオーダーを取るハンディーシステム、来店客自身のスマートフォンでオーダーを取るシステム、テーブルに備え付けられた端末でオーダーを取るシステム、券売機など様々です。これらは元々飲食チェーン店を中心に広がりをみせてきましたが、ここ数年は個人で経営されている店舗にまで大きく広がってきた実感があります。
また、受発注システムや勤怠管理システムなど、DXサービスとは意識せずに取り入れられているシステムも非常に多いように感じています。単一のシステムであれば、むしろ未導入の店舗のほうが少ないのではないでしょうか。
広がる店舗DXの手法 単一ではなく組み合わせが肝
DXサービスは単一のシステムではなく、組み合わせて使うことでより高い効果を得られますので、これからも導入は進んでいくでしょう。
手法としては、どのようなものがあるでしょうか。飲食店を例にとると、店舗業務をフロント業務とバックオフィス業務に分けたとき、店舗運営の時間軸に沿ってそれぞれ様々なソリューションが存在します。
まず、一般的な店舗業務は、集客→予約→配席→オーダー→調理指示→配膳(下げ膳)→決済と業務が進み、それぞれの業務領域においてソリューションが存在します。
一方、本部業務は、顧客管理→売上集計→財務会計→発注→勤怠/労務管理と業務が進み、同じくそれぞれの業務領域においてソリューションが存在します。
先述の通り、それぞれのソリューションを単独で動かすのではなく、シームレスにデータを連携させることが、業務効率や生産性を大きく上げるポイントになるでしょう。