販売促進の専門メディア

           

ヒットの仕掛け人に聞く

売り上げ60億円突破 不二家の「カントリーマアムチョコまみれ」

不二家「カントリーマアムチョコまみれ」

不二家のロングセラーブランド「カントリーマアム」から誕生した「カントリーマアムチョコまみれ」は2020年4月に全国発売を開始。ビスケットカテゴリーの年間売上上位にランクインするなど好調だ。

    DATA

  • 商品名:カントリーマアムチョコまみれ
  • 希望小売価格:48g/140円、127g/324円(税込)
  • 主な販路:全国のコンビニエンスストア、スーパーマーケットなど

テストマーケティングから全国へ

──開発のきっかけを教えてください。

板橋:「カントリーマアム」は2019年に発売35周年を迎えました。当社ではブランド周年時の企画として新商品を発売しており、2018年の「ホームパイ」発売50周年では「ホームパイのみみ」を発売しています。「ホームパイ」と同様に「カントリーマアム」ブランドのこれまでを振り返り、現在の課題も検証しました。発売から長い時間が経つブランドはファンも多い反面、購買層の加齢が進んでいます。そこで若年層にも食べてもらえるような商品を目指して商品企画をはじめました。

「カントリーマアム」は“外はサックリ、中はしっとり”とした食感のクッキー生地とチョコチップの組み合わせが支持されています。これをあらためて追求し、若者に支持されるものにしようと考えました。

開発当時、世の中では濃厚な味や何かに振り切っていることがトレンドになっていました。そこで、ココアを練り込んだ生地に、チョコチップを限界量まで入れ、更に全体をミルクチョコでコーティングしたトリプルチョコの商品を企画しました。ただ、従来のカントリーマアムのサイズだと、数口で満足してしまうのではないかという意見もあり、あえて「カントリーマアムミニ」サイズと組み合わせることで、バランスを調整しました。

2019年11月にセブン-イレブン限定で販売するテストマーケティングを実施したところ、店頭のサイドメッシュ什器を使った全面陳列のインパクトも後押しし、通例の販売スピードの倍以上の速さで完売し、想像を超える大きな反響がありました。これは全国販売に広げるべきだと判断し2020年4月に48gの商品を販売開始しました。

さらに、9月には127gのミドルパックの発売も開始。昨年は売上が約60億円を達成し、ビスケットカテゴリーの年間売上で上位にランクインしています。

「チョコまみれ」
「カントリーマアム」発売35周年をきっかけに誕生。若年層をターゲットにココアを練り込んだ生地に限界量のチョコチップを加え、ミルクチョコでコーティングしたまさに“チョコにまみれた”商品。「まみれさん」という謎のキャラクターが、ブランドの新たな顧客層への認知を獲得した。

パッケージに見つける喜びを

──ヒットには何かきっかけがあったのでしょうか。

板橋:予算の都合もあり、私たちから積極的な施策を行うことが難しかったのが実情です。ただ、有名な将棋棋士の方がおいしいと...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

ヒットの仕掛け人に聞く の記事一覧

売り上げ60億円突破 不二家の「カントリーマアムチョコまみれ」(この記事です)
日本文具大賞を受賞した ほぼ日のアースボール
情緒に訴えるカラーラインナップ「ユニボール ワン F」
コミュニティによってユーザーが拡大 山のインフラアプリ「YAMAP」
復活時には大きな話題に チロルチョコの「きなこもち」
オンリーワンで進化を続けてきたミニストップのソフトクリーム
カフェ気分が味わえる「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」 販売再開後17日で2500万本出荷を達成
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する