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宣伝会議サミット2021

ユニリーバが取り組むD2C パーソナライズシャンプーの狙いと戦略

鳥川行雄氏(ユニリーバ・ジャパン・サービス)

ユニリーバが展開しているパーソナライズシャンプー「Laborica」。その狙いと展開について同商品の責任者を務めるユニリーバ・ジャパン・サービスの鳥川行雄氏が語る。

Web上での髪診断をもとに パーソナライズされるシャンプー

Laborica(以下、ラボリカ)は2019年の7月にブランドローンチしました。これまでのユニリーバのビジネスとは違った形で、パーソナライズシャンプーに特化したビジネスを展開しています。

「髪に合わせて2万通りからあなただけのシャンプーを」とWebサイトに書かれているように、これらの処方のうちからベストなものをお客さまに選んでいただき、「注文→手づくりで製品を製造→発送」という流れで商品が手元に届く仕組みになっています。

実際にどのように注文して手元に届くのか、そのプロセスをご紹介します。まずお客さまにはサイト内の「髪診断」のプログラムに参加していただきます。このプログラムは毛髪診断士の監修のもと作成されており、約20問のアンケートで髪の状態や基本的な情報をいただいて、ベストな処方を作成する流れになっています。最後に「あなたの年齢・性別を教えてください」「ボトルに印字するニックネームを教えてください」という設問に回答していただき、お客さま一人ひとりの名前がボトルに印字され、診断結果を基に製品ができあがります。

ラボリカをD2Cで展開している理由は2つあります。1つはEコマース上で展開するパーソナライズシャンプーという製品の特性。2つ目はD2Cによりお客さまのデータが入手可能になり、ラボリカの改善や、社内で他のプロジェクトに活かすことができるということです。

約20問の髪診断に回答することでパーソナライズされた商品ができる。

顧客を理解し、寄り添った モノづくりと販売方法

最近、コロナ禍やSNSの浸透で顧客や消費者の行動が変わってきていると感じます。同時に「自分に合ったものが欲しい」という志向やそれに伴い製品の価格に対する意識の変化も感じます。自分に合ったものであれば多少お金を使うけれど、自分に興味関心がないものに関してはできるだけ価格を抑えたい、そういったメリハリのある購買行動が見られるようになりました。

これらの消費者の行動や志向の変化を把握する際、データはとても大事になってきます。また、データだけでなくインタビューも大切にしています。回答そのものも大事ですが、インタビューに答えてくださっている方の...

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