幅広い世代に愛用される「ユースキン」。その背景には顧客一人ひとりと向き合い、ファン化していく取り組みがある。ユースキン製薬でファンとのコミュニケーション活動を担当する高嶋俊継氏が同社での施策を解説する。
創業者が出会ったご婦人の悩みから開発された製品
私は入社以来、主に広報・宣伝・プロモーション活動全般に携わっており、特にファンとのコミュニケーションを軸にした活動に力を入れています。
ユースキン製薬は1955年に創業し、2020年に65周年を迎えました。主に皮膚用薬やスキンケア製品を製造販売していますが、創業当時は、町の小さな薬局でした。その薬局に、ある日、ひとりの手荒れに悩んだご婦人が来店されまして、「手荒れによく効いてベタつかないクリームはないか」と創業者である店主に尋ねました。
当時はベタつく油脂しかなく、それを差し出したところ「これもいいけど、ベタつくから」と渋々買って帰られたそうです。店主はどうにかしてあげられないかと思い、「世の中にないなら私がつくろう」と開発したのが現在の社名にもなっている「ユースキン」です。
当社は、65周年を機にリブランディングを行い、コーポレートアイデンティティとコーポレートステートメントを社内外に発表しました。ひとりのご婦人と出会ってユースキンが開発されたように、今も一人ひとりの肌の悩みに耳を傾け、寄り添うという姿勢が私たちの活動の基本となっています。
また「高品質で長く愛される製品と情報を通して、肌と心と社会に『うるおい』を提供します」という経営理念の中に「長く愛される」という言葉があります。それは、出会ったお客さまとの関係をしっかり構築して、できるだけ長く製品をご愛用いただきたいという想いが込められています。
一人ひとりと向き合い対話し、語りたくなるストーリーを提供
ユースキン製薬ではファンの方々とのOne to Oneコミュニケーションを大事にしています。その際、大切にしていることは「出会い」と「物語の提供」です。
当社には、ファンの方々からたくさんの手紙が届きます。こうした手紙が届きましたら、必ず直筆でお返事を書いています。こうしたファンの方々を「格言選考会」という名のファンとの交流会にご招待して、社員が直接コミュニケーションを取り、交流を深めています。私たちは創業以来「出会いを大切にする」ということを基本にファンとの対話を続けています。さらに2016年からは若年層のファンの囲い込みのため、SNSを活用してコミュニケーションを取っています。
TwitterやInstagram上で当社や当社の製品のことをつぶやいている人がいたら、公式アカウントを通じて...