「パッと見」で「買いたい」をつくる パッケージデザインの基本
「パケ買い」という言葉を聞くようになって久しい昨今。商品の機能や価格だけではなく「見た目」も購買の判断軸と考えると、商品パッケージはまず「手に取ってもらう」ための入口とも言えるだろう。“パッと見”で購買意欲を促進させるためには何を意識すればよいのか、基本に立ち返る。
売上を伸ばすための基礎知識 販促の基本
ソーシャルメディア上に書き込まれた消費者の本音から、商品開発やプロモーションのヒントが見えてくる。メリットと注意点を押さえつつ、有効に活用したい。
昨今、マーケティングにおいて「ソーシャルリスニング(Social Listening)」が重視されている。ソーシャルリスニングとは、TwitterやFacebook、Instagramなどのソーシャルメディア上の消費者の生の声(投稿)を収集・分析し、マーケティングに活かす手法のことである。自社ブランドや製品・サービス、さらには市場に対して、消費者が自ら発信した自然な意見や会話を分析することで、「消費者視点」での商品開発、リスク管理、市場予測などをすることを目的としている。
なぜ今、ソーシャルリスニングが注目されているのか。それには、社会における2つの劇的な変化が、大きく関わっている。
第一に、ソーシャルメディアという新しいサービスが開発され、誰でも自由に情報の発信が可能となったこと。ソーシャルメディアの普及前であれば、不特定多数の人に情報を発信できるのは、せいぜいマスメディアに登場する著名人くらいであった。
これは情報発信の「革命」といってもよく、まさに「一億総メディア」時代が到来したといえる。消費者は実に様々な動機で口コミや体験を発信しており、時にはインスタ映えに象徴されるような「発信するための消費」さえも行っている。つまり、ソーシャルリスニングということが、技術的・状況的に可能になったのだ。
第二に、情報社会になって若者を中心に大きく価値観が変化しており、「ナンバーワン」より「オンリーワン」を重視するようになったこと。消費者が多様な価値観を持ち、自分に合うかどうかや、自分の周りで流行っているかどうかを基準に製品・サービスを利用するようになっている。そのうえ、「好きなもの」のサイクルも早い。
このような時代においては、マスを相手にした大量生産・大量消費だけでなく、迅速に消費者のニーズをとらえ、製品・サービスを開発・販売することがマーケティングに欠かせなくなる。
この「技術」と「価値観」の2つの社会変革により、情報社会ではソーシャルリスニングを行うことが、マーケティングにおいて極めて重要なのである。
ソーシャルリスニングは、「商品・サービス開発フェーズ」と「販売フェーズ」に、変革をもたらした。それは、大きく分けて以下の3つの特徴によるものである。
これまで消費者の生の声を聞くためには、いくらかのコストを払ってグループインタビューをしたり、アンケート調査をしたりという工夫が必要であった。ところが、今は消費者が自ら商品の感想をネット上に書き込んでくれるのである。そして、検索機能を駆使するだけでも簡易に意見の収集・分析は可能であり、安価で実施できる。そのため、マーケティング資金の潤沢でない中小企業でも、安価で商品開発や販売に消費者の声を反映できるようになった。
これまでの調査では、企業側が「問い」を立て、それに対する消費者の意見を収集するのが一般的であった。しかし、ソーシャルリスニングで見えてくる消費者の声とは、自然な会話であり、そこには消費者の「本音」が現れているといえる。その率直でリアルな意見をもとにすれば、消費者視点での開発・販売が可能である。
ソーシャルメディア上で見える消費者の生の声は、常に「その時に感じたこと」に基づいている。つまり、リアルタイムに近い状態で情報収集が可能である。時系列で意見を分析したり、表面化する前に消費者の不満を察知してリスク回避したりすることができる。このことは、新商品の提供やキャンペーン、企業対応前後での消費者の反応の違いを分析することを可能にするだけでなく、今後のトレンド予測など、市場の潜在的ニーズの汲み取りにも活用できることを示している。
以上3つの特徴を踏まえ、新旧の情報収集方法を図で示したのが(図1)である。ソーシャルリスニングでは、自社の商品・サービスへの評価やキャンペーンへの反応だけでなく、競合他社や市場の状況を、把握することも容易だ。
加えて、「リスニング」だけでなく、公式アカウントを使って消費者とコミュニケーションをとることで、消費者の意見を参考にするだけでなく、フィードバックして「自分の意見がブランドに反映された」という体験を生み出したり、バイラル・マーケティング(消費者間の情報シェアによる広まりを前提として行うマーケティング)も実現できる。
しかし実際には、「何から手を付ければよいのか分からない」という意見をよく耳にする。このような場合、まずはツールを入れればいいと考えてしまいがちだが、ツールというのはあくまで手段であり、目的ではないことを忘れてはいけない。
では何をすればよいのか。まず手をつけるべきは、「目的を明確にすること」である。漠然とソーシャルリスニングをしても、ただテキストデータ(あるいはツールによる分析結果)が溜まるだけであり、そこからマーケティングに活かせない。自社の商品・サービスの特定の物事について深掘りしたいのか、市場の動向を把握したいのか、CMへの反応を見たいのか、その目的によって、収集・分析するデータはそれぞれ異なってくる。
次に、ソーシャルメディアの特性やユーザーの文化を理解しておく必要がある。「よく分からないけど活用する」ではなく、「入り込んで活用する」のでないと、有益な知見を得られない。Twitter、Instagram、Facebook、いずれも...