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売上を伸ばすための基礎知識 販促の基本

買い手視点が大鉄則 準備8割で実現するライティング術

川上徹也

人を動かす言葉の使い方を学び、「売り」につなげる。販促の担当者が知っておきたいライティングのノウハウをまとめ、網羅的に活用できるポイントを筆者が解説する。

生活者が商品やサービスを購入する時、商品やデザインはもちろん、キャッチコピーや説明文に散りばめられた言葉に惹かれることで、購入まで至ることも多いと思います。ただ店頭に商品を置いているだけでは、購買に至る可能性は低く、説明文やコピーを加えることで顧客の関心を集めることができるようになります。つまり、言葉は販売の最後の一押しになり得るのです。

このように、ライティングが必要になる場面は、日常の中に数多くあると思います。販売促進の担当者にとっても、生活者の感情を動かす手段の一つとしてライティングスキルが非常に重要になってきます。

一般的に、小説などの文章を書き上げるライティングと、今回お話しする「コピーライティング」では考え方が異なります。今回は、特に“商品を売る”、“売り伸ばしにつながる”ことを目的としたライティングのメソッドをお教えします。

人は“ハッピー”にお金を払う

ライティングを始める前に考えてほしいポイントをおさらいします。

まず、文章を書く前にライティングの対象となる商品やサービスの概要を整理する必要があります。今回は、その中でも「何を言うか」(What to say)を決めるポイント、「どう表現するか」(How to say)を考えるポイントに注目します(図1)。

図1 文章を書く前に考えること

What to sayを考える上で、必要な3つの切り口を段階的に読み解いていきたいと思います。最初に着目するポイントは「ファクト」です。ここでは、ただの事実としてではなく、消費者にとって意外性のある事実を発見してほしいと思います。次に、「メリット」です。実際に、事実から得られる利点を考えてみてください。利点を知って「いいね」「欲しい」と感じるものであればあるほど有効な要素です。

最後に「ベネフィット」についてです。人は、商品ではなく、その先にある“ハッピー”にお金を払っています。そのため、商品自体の利点であるメリットには関心がなくても、自分の利益になるベネフィットには関心を持つのです。つまり、多くの生活者が“ハッピー”と感じるインサイトを発掘し、表現することが重要になってきます。

私がこれまでに取材したトップセールスマンの方々は共通して、お客さまが「何を求めているのか」「どこに“ハッピー”を感じるか」といったポイントを一瞬にして発見し、言葉にしていました。車のセールスマンの場合、見た目や安全性といったファクトやメリットを説明し続けていても、お客さまの購入の決め手にはなりにくいと思います。

セールストークもライティングも、構造は同じです。多くの方はメリットを伝えようと試みますが、ベネフィットを考えてからライティングにあたることがポイントです(図2)。

図2 What to say 3つの切り口

文章を書く前に考えるポイント

自由な気持ちで文章を書く際とは違い、“商品を売る”といった結果が求められるライティングにおいては、やはり相手の「欲しい」という気持ちを引き出す必要があります。そのために、まず読み手が主役であることを忘れないようにしましょう。視点を顧客側に移し、相手の心が動くライティングを意識して欲しいと思います。

さらに、ライティングで最も重要なポイントは、「自分に関係がある」と思ってもらうことです。では、どのような思考ステップを踏めば、顧客が「自分ごと化」する一文ができるのでしょうか。ポイントを5つに分けて説明したいと思います(図3)。

①「ベネフィット」を訴求する
 → 得すること・“ハッピー”と感じること

②「負のベネフィット」を知らせる
 → 損すること・嫌われること

③ニュースを知らせる
 → ❶「日本初」「新発売」
 → ❷「ついに」「とうとう」「待ちに待った」
 → ❸「話題の」「注目の」「期待の」
 → ❹「発表」「公開」「宣言」

④インサイトを代弁する

⑤ターゲットを絞る
 → ❶ 属性
  「性別」「年齢」「職業」「居住地」「身体的特徴」
 → ❷ 内面的要素(インサイト)
  「悩み」「価値観」「願望」「思想」「目的」

図3 読み手が○○を「自分ごと化」する5カ条

ポイント1

売り手視点を捨て、ベネフィットを訴求
まず前述の通り、ベネフィットを訴求することで、生活者は「商品を購入することで自分にもたらされる価値」を認識します。しかし、ここで一つ注意したいのが、ベネフィットにも種類があるということです。商品の特性をそのまま表現した機能的なベネフィットだけではなく、買い手が「どういう気持ちで購入するのか」といった心情までを深堀りするようにしましょう。

売り手視点を捨てることは難しいと思いますが、同業他社の商品や広告を1人の顧客として見ることはできると思います。「自分だったらどう感じるだろう?」と、客観的な顧客の視点で考えるよう習慣づけることも大切です。

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