3月26日、ネスレ日本は2019年の事業戦略発表会を実施した。会場は神宮前の「ネスカフェ原宿」。19年度の方針について、高岡浩三ネスレ日本代表取締役社長兼CEOが発表した。主に「国内コーヒー市場での地位確立」「デジタル」「ネスレウェルネスアンバサダー」「ペッツサポート」の4つに注力する。

ネスレ日本・代表取締役高岡浩三社長兼CEO。「既存のビジネスにデジタルの力でイノベーションを起こす。『ペッツサポート』もデジタルによって医師とペットの飼い主を繋げます」(高岡社長)
売り上げ減益も オーガニックグロース微増
ネスレ日本は3月26日、都内で2019年度の事業戦略発表会を行った。登壇したのはネスレ日本代表取締役社長兼CEOの高岡浩三氏。ネスレ日本の18年度の業績及びその要因を振り返ったうえで、19年度の事業戦略を発表した。
高岡社長はまず、ネスレグループ全体の業績を述べたうえで、ネスレ日本18年度の業績をふり返った。
「18年度前期の営業利益率は昨年同期比マイナス1.8%。商品の値上げをしたり、物流費の高騰という問題に取り組んできましたが、結果として、18年度終了時点で昨年比マイナス1.5%の減益となりました」(高岡社長)
18年度でマイナス影響をもたらした要因は、大きく分けふたつある。ひとつは家庭内消費の減少、もうひとつは人手不足による物流費の高騰だ。
共働き世代や一人世帯の増加により、家庭内でのコーヒーの消費量も減少した。特に「レギュラーソリブルコーヒー」(1)と「インスタントコーヒー」市場が昨年比マイナス5%となったことについて、高岡社長は「市場の約70%を占めるネスレ日本には痛手」と話す。この課題については、コーヒーの家庭外消費におけるシェア獲得、ネスカフェの価格改定の二軸で対応した …