イベントや店舗のプロモーションで、来場・来店した人が撮影する写真。スマホで気軽に撮れるようになった分、1枚1枚への思い入れは少なくなる。来場・来店したことを記憶に深く刻み込むには、何ができるだろうか。
「スマホ全盛の時代だからこそ、合っているのでは」─。キリンビールで横浜工場の広報を担当する籠倉啓子氏はこう切り出した。工場に置いた、来館者の記念写真を印刷するプリンターについての評価だ。
このプリンターは、三菱電機の「Wi-Fiプリント」を活用したもの。「Wi-Fiプリント」とは、「スマートフォンやタブレット端末と同製品をWi-Fiで接続」「アプリなどを追加でダウンロードする必要なく、スマートフォン内の写真を選んで送信すると印刷できる」という機能だ。
キリンビール横浜工場には年間約15万7000人の来場者がある。工場見学のガイドを務める中川宏子氏によると、このうち60%〜70%が工場見学の記念写真を撮るという。
ならば記念写真をその場で印刷して渡したら喜ばれるのではないか。それがプリンターを導入した意図だ。印刷にかかる時間は1枚あたり約8.4秒〜で、「キレイに印刷できますし、待ち時間もほとんどありません。親子3世代でお越しいただいた際など、お喜びいただけていると感じます。また、オリジナルフレームに社名や商品情報等を入れられるので、商品そのものや企業のPR効果にも期待できます」(中川氏)
横浜工場のケースではガイドが用意するタブレット端末で撮影しているが、来店者自らのスマホなどにつないで、写真をプリントすることもできる。たとえば、ある携帯電話ショップではサービスのひとつとして、「Wi-Fiプリント」を店頭に設置し、待ち時間対策として来店者がスマホ内の写真を印刷できるようにしている。
印刷用紙は、いわゆる印画紙だけではなく、切り取り線の入ったものを用いたり、あらかじめ用意したフレームデザインと写真とをセットにしたりすることも可能。これを応用すれば、写真にクーポンを添えたり、後日のイベントを案内したり、といったことができそうだ。自分の写真がプリントされていると簡単には捨てにくい、といった心理も働く。
「スマホで多くの写真が撮られるようになりましたが、多くはそのまま。プリントした写真をもらえたら、記念品にもなります。当工場では、(写真の裏面が)ハガキ形式のフォーマットも活用してみたいですね」(籠倉氏)
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