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ヒットの仕掛け人

発売4カ月で売上高8億円 インテリアに変貌した「サワデー」

小林製薬「Sawaday PINKPINK」

「サワデー」と言われて、どのようなイメージを抱くだろうか。今年5月17日で発売40周年を迎える同ブランドが、従来の消臭芳香剤のイメージを打ち崩し、より若い世代に支持されるブランドへ姿を変えようとしている。その急先鋒が、2014年4月に発売された「Sawaday PINKPINK」だ。香りを楽しめるだけでなく、空間を演出する「ホームフレグランス」として女性の好みを追求した結果、購入者の半数以上が20〜30代女性に。14年度の売上予測も当初2倍超の17億円に上方修正し、節目の年に向け勢いを加速させている。

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「Sawaday PINKPINK」が目指したのは芳香剤からの脱却。女性ファッション誌読者モデルを商品開発に加え、3カ月間、「カワイイ」を徹底的に追求した。

若い女性にとって、自分の部屋に何かを取り入れるということは、自分だけの居心地のいいお城をつくるようなもの——今回の仕掛け人は、小林製薬大阪本社マーケティング本部「Sawaday PINKPINK」ブランド担当の木村隆晴氏。基礎調査から女性ファッション誌の読者モデルを招いた商品開発など、女性若年層の価値観を徹底して研究し、見事同商品をヒットさせた。

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小林製薬大阪本社マーケティング部「Sawaday PINKPINK」ブランド担当
木村隆晴氏(左)、井戸玲子氏(右)

─「Sawaday PINKPINK」は、従来のサワデーのイメージを一変させるような商品ですね。

「Sawaday PINKPINK」は、開発から若い女性にとっての“カワイイ”を徹底的に追求した商品なんです。結果、芳香消臭剤の購買率が低かった20~30代の女性を取り込み、2014年4月3日の発売から4カ月で年間目標7億円を超える8億円を売り上げることができました。14年度の売上予測も当初の2倍を超える、17億円超えに上方修正しています。

芳香消臭剤「サワデー」は15年5月17日で発売40周年を迎えます。これを機にラインナップを刷新し、ブランド名も「Sawaday」の英語表記となります。ブランドのポジションも、芳香消臭剤から「ホームフレグランス」という位置づけに変えて。「PINKPINK」は、その急先鋒ですね。刷新に向けたラインナップにはフレグランスオイルをラタンスティックで広げるタイプや3月26日にはドライフラワーを用いた「ボタニカル」を加えました。車内向けの商品も発売しています。

─若い女性というのは、これまで獲得できなかった層だったのですか。

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■消臭剤と思わせる要素は排除 
イメージキャラクターを務めるのは、モデルで女優の西内まりやさん。メッセージは機能を一切うたわず「いい香り」のみ。若い女性らしいイメージ訴求を徹底した。

そうなんです。まずは、これまでの部屋用芳香消臭剤が、若い女性にとって、どのような存在だったかをお話ししたいと思います。

当社では10年ほど前から、芳香消臭剤の大規模な基礎調査を続けてきました。開始当時から若い女性は、部屋用消臭芳香剤の使用率が低い傾向がありましたが直近の2013年でも20代の使用率は39%。40代は49%で、使用率に10%の差がありました。

なぜ使っていただけないのか。調査から見えてきたのは …

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