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アメリカ現地レポート 顧客・市場へのアプローチ戦略

ニューヨークで話題のショップから見る リテール未来予測キーワード

藤原栄子

常に最先端のプロモーションが行われ、世界から注目されているアメリカ。そこでいまヒットしている・話題になっている商品や店舗は、どんなプロモーション戦略の基で行われ、どんな工夫がなされているのか。消費者に受け入れられている理由を、現地から毎月レポートする。

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ブランド化粧品サンプル詰め合わせEC「BIRCHBOX」の実店舗
「BIRCHBOX」の実店舗。自分でサンプル品を組み合わせられる「BYOBコーナー」や、各商品棚に設置されているタブレット、商品検索ができるサイネージで商品購入ができる。

2015年1月11日から4日間、世界中のリテール企業やリテールテクノロジー企業が一堂に会する、世界で最も大規模な小売業向け展示イベント「NRF Retail's Big Show 2015」がニューヨークで開催された。主催は全米小売業協会(NRF)。

出展した企業ブースは4500を超え、展示会入場者数は、およそ3万3000人、キーノートのほか、さまざまなセッションも用意されていた。

今回は、この「NRF Retail's Big Show 2015」で人気のあった「The Future of Retail 2015」と「NYC RETAIL GUIDE」の2つのセッションから、実際の店舗事例を交えて、リテールの未来予測キーワードを、いくつか抜粋して紹介したい。

化粧品Eコマース「BIRCHBOX」の体験型フラッグシップストア

KEY:キュレート&パーソナライズ
バーチボックス社は、ブランド化粧品サンプルの定期購入型Eコマースサイトを運営する企業だ。同サイトは、顧客それぞれの肌質や好みに合わせた化粧品、ヘアケア商品のサンプルを詰めあわせた「バーチボックス(BIRCHBOX)」を送付してくれるサービスを展開している。利用料金は月額10ドル(約1200円)。

このバーチボックス社が14年夏、ニューヨーク・ソーホーに初めて実店舗をオープンさせた。

店舗には、月替わりのおすすめサンプル商品の中から、来店者が5つを選んでオリジナルの「バーチボックス」を作れる「BYOBコーナー」(BOYBはBuild Your Own Birchboxの略)があり、ECサイトでは体験できない「自分のために、誰かのために、選ぶ」=キュレート体験を楽しむための取り組みだ。

同店舗のもうひとつの特徴は、ECサイトと同じように、個々の顧客の肌質や好みに合わせた商品選びが三つの手段で体験できること。

一つめは、1階フロアにある「トライ・バー」。実際に商品を使用した上で、自分にあった商品を選べる。

二つめは、地下フロアにあるサロン。ヘアスタイリングやメイクアップ、ネイルサービスを体験して使用感を確かめ、さらにはプロのアドバイスも参考にしながら、自分にあった商品を探せる。

三つめは、商品棚に設置されたタブレット。肌質や毛質、年齢や好みなどの情報をインプットすると …

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