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経営トップ 販促発想の着眼点

業界の常識にとらわれない販促で契約率アップ

蓬田修一(ジャーナリスト)

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

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松戸家の霊園開発・運営で特徴的なのは、園ごとにコンセプトを設定すること。例えば同社が手掛けた「フラワーメモリアル国立府中」は「花」がコンセプト。「フォレスト所沢」は「森」がコンセプトだ。同社が開発した園は、かつての霊園が持つ「暗い」「怖い」といったイメージはない。花や植栽に彩られ、周辺住民にとって“憩いの場” “コミュニケーションの場”として機能している。

松戸家 代表取締役社長 中本泰輔氏(なかもと・たいすけ)
1984年東京都小平市生まれ。生命保険会社を経て父親が経営する松戸家に入社。霊園の販売・運営などを任される。社長就任後は、業界の常識にとらわれない斬新な販促マーケティングを数多く展開し、契約率を高めている。2015年はICやクラウドを活用した新しい形の供養「メモリアルジュエリー(仮称)」を展開予定。



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クリスマスリース作りイベント 
霊園内で行われているクリスマスリースを手作りするイベント。園内の木の剪定時に出た材料を、リースの素材として使っている。

クリスマスが近づいたある週末、松戸家が運営する霊園、フラワーメモリアル国立府中でクリスマスリースを手作りするイベントが行われた。

リース作りの講師役は、普段は園の管理業務を行っている職員。子どもから年配の人まで、近隣の住民らが参加し、思い思いのリース作りを楽しみながら、クリスマス前の楽しいひとときを過ごした。

フラワーメモリアル国立府中では、このほかにも地域住民などを対象にした多彩なイベントを行っている。昨年2月には、「フラワーバレンタイン」と題して、ミニブーケ手作りイベントを実施。クリスマスリース作りと同様、職員が講師となり、参加者とともにブーケ作りで盛り上がった。

ほかにも、寄せ植え・種植え教室を年に6~7回実施。同社が花の苗や種・土を用意し、参加者はプランターを持っていくだけで、季節の花の寄せ植え・種植えを楽しむことができる。

フラワーメモリアル国立府中では、こうした地域住民などを対象にしたイベントを毎月のように行っている。

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寄せ植え 
霊園で実施しているイベントの中でも「寄せ植え」は特に人気のイベント。参加者はプランターを持参するだけ。苗や土は園で用意している。

墓石販売と霊園開発 両方手掛けるのが強み

東京・小平市に本社を構える松戸家は、大正7年(1918年)の創業以来、90年以上の歴史を持つ。現在の代表取締役・中本泰輔氏の曽祖父が三重県で石材業を始め、その後、千葉県松戸市に移転。都立小平霊園の設立を機に、昭和24年(1949年)、現在の小平市に店舗を構えた。

現在の業務は墓石販売にとどまらず、霊園の開発・設計・運営にも及ぶ。ただし霊園を経営するのは宗教法人、地方自治体、公益法人に限られるため、宗教法人から委託を受ける形をとっている。墓石の販売と霊園の開発・運営をともに行っているのが同社の特徴であり強みだ。

同社を取り巻く環境は大きく変化した。30年ほど前は、都心から離れた郊外に霊園を開設するのが一般的だったが、近年は都心近くの住宅地に開園するケースも増えている。

松戸家はこうした時代の変化を的確につかみ、前例にとらわれないユニークなマーケティング施策を展開し実績に結びつけてきた。先に紹介した、地域住民を対象としたイベントもそのひとつだ。

周辺住民が霊園開発に反対 対話の場としてイベント実施

松戸家がイベントを実施するようになったのは …

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