販売促進の専門メディア

業界別販売促進

大人にお菓子を食べてもらうための販促アプローチ 森永、ロッテ、アサヒ、カルビー4社の取り組み

前田はるみ

大人向けお菓子が各社から発売され、売り場が活況を呈している。大人向けのプロモーションでは、おいしさの訴求はもちろん、日常生活でお菓子を自然に取り入れてもらうためのシーン提案に各社が取り組んでいる。大人の購買を促すポイントは、上質さとヘルシーだ。

大人向けお菓子が続々と発売され、売り場を盛り上げている。14年4月以降、消費税増税の反動で嗜好品の販売の落ち込みが懸念されたが、森永製菓によると、「4月~10月のチョコレート菓子の売り上げは予想以上に好調。それをリードしたのが大人向け商品」だという。
なぜいま、大人向けお菓子なのか。取材した企業の話をまとめると、次のような理由が考えられる。まず、いまの40代~50代は、子ども時代からお菓子を食べる習慣のあった世代であり、お菓子は子どものためだけのものではなくなっているということ。チョコレートの健康効果への注目も、大人向け市場が広がっている大きな要因だ。また、大人世代には「どうせ食べるなら少しでも上質な物を食べたい」というニーズもあり、高単価な商品への購買意欲がある。そして何より、少子化が進み子どもの数が減る一方で、今後は40代~50代の人口ボリュームが増えることから、大人市場は無視できない重要な市場であるということだ。
大人にお菓子を食べてもらうための販促アプローチを取材した。

    [CLOSE-UP! (1)]
    お菓子を楽しむ新たなシーンやスタイルを提案

    img01

    バブル世代向け雑誌とのタイアップで、世界観を訴求
    ●ロッテ/雑誌『GOLD』の誌面で&DARKの楽しみ方を提案。2014年10月発売号では、モデルの相沢紗世さんが、&DARKを食べながらDVD鑑賞するくつろぎの時間について語っている。上質感を意識したビジュアルイメージで&DARKの世界観を表現。



    img02

    食べるシーンを描き、ターゲットの共感を得る
    ●アサヒフードアンドヘルスケア/テレビCMは、前向きに仕事を頑張る役どころの神田沙也加さんが、お気に入りの曲を口ずさみながら「キレイな間食」を一口食べ、元気になるというスト―リー。CMで描かれる世界観が共感を呼ぶとともに、「CMに登場する女性は誰?」とSNSで話題になり、予想以上の反響があった。



    img03

    夜の時間を楽しみたい、ワーキングママの22時以降に着目
    ●カルビー/子どもが就寝したあとの、22時以降の自分の時間を楽しむためのスナック菓子として「カルビーライト!」を打ち出している。ウェブサイトではビジュアルを使って情緒価値を訴求。

商品の上質さに相応しい場所で本格ショコラを体験してもらう
森永製菓

森永製菓の「カレ・ド・ショコラ」は、ゆったりと一人の時間を楽しみたい人に向けたチョコレート。一口サイズの四角いチョコレートが21枚、個包装されている。30代以上の女性をターゲットに、原料や製法にこだわってつくられている。「2002年の発売以降、大々的なプロモーションは行っていませんでしたが、ユーザーの評価が高く、リピーターを増やしながら徐々に認知を広げています。お陰さまで売り上げも好調です」と同社マーケティング本部菓子食品マーケティング部チョコレートカテゴリー担当の野条理恵氏は話す。

より多くの人にカレ・ド・ショコラの味を体験してもらうため、13年からはサンプリングイベントに力を入れている。14年11月には、カプチーノと一緒に商品を味わえる「カレ・ド・ショコラBar」を全国4都市で実施した。訪れた人にカレ・ド・ショコラの5つのフレーバーから好みの2つを選んでもらい、バリスタがいれたカプチーノと一緒に楽んでもらおうというものだ。「上質な雰囲気の場所で、おいしいカプチーノと味わう本格ショコラを体験していただくのが狙いです。どの会場も平日にもかかわらず行列ができるほど盛況でした」と野条氏。4会場・7日間で約7000杯のカプチーノを配ったほか、約20万個のサンプリングキットを配布した。

バレンタインに向けた施策も進行中だ。「個包装されたカレ・ド・ショコラは、普段から職場で周りの人に配られるケースが多く、個包装のデザインも『おしゃれ』と好評です。バレンタインで義理チョコや友チョコとして活用していただき、これまでカレ・ド・ショコラを知らなかった人にも食べていただくきっかけになればと考えています」(野条氏)。

15年1月には、バレンタイン用の期間限定パッケージを発売するほか、バレンタインチョコレートとしての活用法を紹介する店頭ボードを設置したり、カレ・ド・ショコラの個包装1枚を差し込んで、ちょっとしたプレゼントにもできるメッセージカードを店頭配布する予定。また、雑誌広告やトレインチャンネルへの出稿、東急ハンズでのラッピング講座の開催なども予定している。

カレ・ド・ショコラは、「一度食べてもらえればおいしさを実感してもらえる」(野条氏)という同社の自信作。「商品コンセプトにふさわしい上質な場所やシーンでの体験の機会を今後も提供していきたい」と話す。

定番商品を贅沢な大人仕様に 40代以上の大人世代を魅了

もう一つ、販売好調な大人向け商品がある。誰もが知るロングセラー商品「チョコボール」の大人向け版「大人に贅沢チョコボール」である。14年6月にコンビニで先行発売されると、「あのチョコボールから大人向け商品が出た」とネットで話題になった。

発売の背景について野条氏は、「チョコボールは子どもがメインターゲットの商品ですが、実際には大人の男性も購入されており、チョコレートの消費に大人と子どもの境目がなくなりつつあるのを感じます。大人向けに品質やデザインにこだわった商品をご提供すれば、もっと多くの人に手に取っていただけるのではと考えました」と話す。

現在、「厳選ピーナッツ」、「濃い苺」、「ほろにがキャラメル」の3種類の味が発売されているが、どれもチョコボールの基本的なフレーバーを大人向けに仕立てたものだ。パッケージの取り出し口やキョロちゃんなど、子どもの頃にチョコボールに親しんできた大人が懐かしく感じる要素を散りばめるとともに、おいしさや上質感が感じられるようビジュアルのシズル感を追求した。「40代以上を中心に大きな反響がありました。懐かしさから商品を手に取ってくださった人が多かったようです。従来のチョコボールと食べ比べてみて、味の違いをSNSに投稿するなど、話題にしやすいことも情報の拡散につながったのではと思います」(野条氏)。

チョコボールといえば …

あと72%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

業界別販売促進の記事一覧

業界別販売促進の記事一覧をみる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する