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『限りなく透明に近いブルー』はなぜ売れた?-いいネーミングに弱いワタシ

草場 滋

イラスト:高田真弓

優れたネーミングには、商品の予備知識がなくても人々を惹きつける不思議な力が備わっている。

先日、大型書店内を散策していた時の話である。ふとコミックコーナーで平積みになったある本に目が止まった。タイトルは『僕だけがいない街』。聞いたことがない。元々、コミックの世界は詳しくないので、僕が知らないだけかもしれない。手に取り、パラパラとめくると、どうやらタイムループ系の話らしい。面白そうだ。バックナンバーを探すと、まだ2巻までしか出ていない。僕は2冊を手に取り、レジに向かった。

あの日、なぜ僕は初めて目にしたコミックに惹かれたのか。

----タイトルだ。『僕だけがいない街』という秀逸なタイトルに、一瞬で心を奪われたからである。

話は変わって、37年ほどさかのぼる。1976年7月。武蔵野美術大学に通う24歳の学生、村上龍のデビュー作『限りなく透明に近いブルー』が芥川賞を受賞した。それは麻薬とセックスに溺れる米軍基地の町・福生の若者たちの青春を描いた作品で、その過激な性描写と若き新人作家の出現にマスコミが飛びつき、瞬く間に100万部を突破。社会現象となった。通常、1万部も売れればベストセラーと言われる純文学の世界。なぜ、そんなに売れたのか。

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