イラスト：高田真弓
雑居ビルは若い人や個人経営の店が多く、行く度に驚きと発見に満ちている。僕らの心を引き付けるゆえんである。
冬のお台場に来て驚くことがある。目を疑うほど人が少ないのだ。夏の間、あれほど押し寄せた人波は見る影もない。季節柄、修学旅行生や観光客の姿もなく、営業中の店はどこも空いている。その様子が余計に寒さを際立たせる。
フジテレビがこの街へ移転して17年が経つ。当初は点在した空き地も、気が付けば商業施設やホテル、大企業や公共施設のビルが建ち、整然とした街並みを形成している。2020年の東京オリンピックに向けてフジテレビや三井不動産、鹿島らが組んでカジノを誘致する計画もあり、実現すれば日本有数のエンターテインメントタウンになる。
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