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ヒットの仕掛け人

好調の理由はドラッグストア? 機能性ビールテイスト飲料「サッポロ 極ZERO」

サッポロビール

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2013年6月発売。プリン体を気にする30~50代男性がターゲット。世界で初めて「プリン体0.00」を実現し、さらに「糖質0」も達成した機能系ビールテイスト。

サッポロビールが、世界初のプリン体ゼロのビールテイストを発売。プリン体を気にしてビールテイストを飲まずに我慢したり、量を減らしていた人にとっては待望の商品。同社の機能系ビー ルテイストとしては、史上最速で5000万本を達成。特にドラッグストアでの売り上げを伸ばしている。

今回の仕掛け人は、新価値開発部第1新価値開発グループ課長代理の佐々木昌平氏と、営業本部ブランド戦略部サッポロブランドグループマネージャーの小林隆太氏。機能性商品と親和性の高いドラッグストアで積極的に展開するほか、調剤薬局で「低プリン体習慣のススメ」リーフレットを配布するなど、通常の酒類とは異なるアプローチを試みている。

我慢せずに"ゴクゴク"飲める 世界初の"プリン体ゼロ"商品

─商品を開発した背景をお聞かせください。

佐々木 ビールテイスト市場を見ると、2012年間で市場全体が前年比で1%程度下落しているのに対し、機能系新ジャンルカテゴリーは2割以上の伸びを見せています。その背景には、健康志向が高まっていることがあります。このカテゴリーは新商品もコンスタントに発売され、話題性もありますが、ビールテイストを十分に楽しめていない方がまだまだ多いことが推測されます。まずはそこに目をつけました。

ビールテイストを飲む人へのアンケートでは、減らしたい三大要素は、糖質、カロリー、プリン体。中でもプリン体は、ビールテイストの成分に関する当社への問い合わせのうち半分以上を占め、かなり気にしている要素であることが分かります。プリン体は摂取しすぎると尿酸値の上昇につながる可能性があるため、「取り過ぎると良くない」という認識を持つ人は多いようです。

前出の三つの要素のうち、糖質とカロリーはすでに"ゼロ"の商品が発売されていたものの、プリン体だけはまだ"ゼロ"がありませんでした。プリン体を99%オフにした商品はありましたが、たった1%であっても、本当に気になる人にとっては不安に感じ、ビールテイストを飲むのを控えるという声もありました。そこで、我慢せずに飲んでもらうには、プリン体をゼロにするしかないと考え、今回の「極ZERO」の発売に至りました。

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"世界初"を全面に打ち出した売り場づくり
糖質、プリン体の両方をゼロとしたビールテイスト飲料は世界初であることから、パッケージはもちろん、売り場においても「世界初」を全面に打ち出して展開した。

─発売するにあたり、これまでにない商品特長をどのように打ち出そうとしましたか。

佐々木 「世界初のプリン体0.00」であり、「糖質もゼロ」であることがこの商品の最大の特長です。これらの文言をパッケージや6缶パックのスリーブなどに大きく配置し、お客さまに訴求しました。

─機能系の飲料には、「仕方なく、我慢して飲んでいる」といったイメージが少なからずあるように思いますが、それを覆すために工夫したことはありますか。

佐々木 我慢して飲むのではなく、楽しく飲める商品であることを伝えるため、パッケージと商品名を工夫しました。パッケージについては、機能系商品は一般的にグリーンやホワイトを基調としていますが、この商品ではあえてブルーにすることで、上質感とさわやかさを意識したデザインにしています。また、「極ZERO(ゴクゼロ)」というネーミングも、「ゼロを極めた」という意味のほかにも、ビールテイストの大きな特徴の一つであるのどごし感が伝わるように、「ゴクゴク飲める」という意味も込めています。

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