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セレクト10

白井美穂 森の空き地ほか今月の展覧会

白井美穂 森の空き地

《Cut》1993年 府中市美術館蔵

メディアを自在に横断し旺盛に制作を続ける白井美穂(1962-)による、美術館での初の個展が開催される。普遍的な力学を見つめるための示唆に富む白井の作品は、自己と他者や、内的な世界と公的な自己との境界を探る糸口となる。本展覧会では、1990年代前半に発表された貴重な立体作品と、2000年代以降華麗に展開されてきた絵画を中心に紹介する。もの、空間、イメージが絡まり生まれる迷宮の先に開かれる「空き地」で、きっと何かを見つけられるはずだ。

白井美穂 森の空き地

府中市美術館
12月16日~2024年2月25日
月曜、12月29日~2024年1月3日、1月9日、2月13日休館
(2024年1月8日、2月12日は開館)
お問い合わせ→050-5541-8600

ひだまりの絵本画家柿本幸造展

「どうぞのいす」(『おはなしチャイルド』
1979年11月号/作:香山美子/チャイルド本社)

ミリオンセラーの『どうぞのいす』(ひさかたチャイルド)や、1971年から小学校の国語の教科書に掲載されている『くじらぐも』(光村図書出版)の絵などで広く親しまれている絵本画家・柿本幸造(1915-1998)。広島県出身の柿本は上京後、広告関係の会社に勤め、1954年から月刊絵本の挿絵を手がけるようになる。本展では、原点であるデザイナーの仕事から、『どうぞのいす』といった代表作に至るまで、彼の幅広い創作世界を多彩な原画を用いながら紹介。じっくりと絵の具を重ねることで紡ぎ出される、ひだまりのようにあたたかな絵本の世界を堪能できる展覧会だ。

ひだまりの絵本画家柿本幸造展

ひろしま美術館
開催中、2024年1月14日まで
12月29日~2024年1月2日休館
お問い合わせ→082-223-2530

バグスクール:うごかしてみる!

藤瀬朱里
《Where the kiss will be tomorrow》2023年

野口竜平《8人の蛸みこし》2019年-

リクルートホールディングスが運営するBUGにて、インディペンデントキュレーターの池田佳穂をゲストキュレーターに迎えた展覧会が開催中だ。複数のアーティストを一挙に紹介する場として開催される本展覧会では、アーティスト9名が小展示や多様なプログラムを実施。「アートセンターの可能性を開く」ための継続的な取り組みとして本企画を育てることを目標に、アーティストの思考や作品に触れる機会を創出する。これまでアートに触れる機会がなかった社会人や学生など、多くの人が楽しめる展覧会。

バグスクール:うごかしてみる!

アートセンターBUG
開催中、2024年1月14日まで
火曜、12月25日~2024年1月4日休館
お問い合わせ→info.bug@r.recruit.co.jp

松山智一展:雪月花のとき

松山智一《Hello Open Arms(両腕に掲げられ、両手を上げろ)》2023年 個人蔵

松山智一は、ニューヨークを拠点に活動するアーティストだ。鮮やかな色彩と精緻な描線による絵画や、大規模なパブリック・アートとしての彫刻など、大胆さと繊細さを併せ持った作品を数多く発表している。彼が描くのは、西洋や東洋の伝統的な絵画からの引用や、ファッション誌の切り抜き、実在する消費社会の生産物や日常生活で慣れ親しんだ商品やロゴなど、さまざまなイメージのサンプリング。一見しただけでは引用元が判別不可能なほど、複雑に組み合わされた大量のイメージ群は、現代社会に生きる私たち自身を取り巻くものであり、いつかどこかで見たかもしれないものでもありながら、私たち一人ひとりの奥底に蓄積された記憶の束が、形を持って現れたようでもある。本展では、松山のアーティストとしての進化と深化の過程を紹介する。

松山智一展:雪月花のとき

弘前れんが倉庫美術館
開催中、2024年3月17日まで
火曜、12月25日~2024年1月1日休館
(2024年1月2・3日は開館)
お問い合わせ→0172-32-8950

はみだす。とびこえる。絵本編集者 筒井大介の仕事

『ブラッキンダー』スズキコージ
2008年(イースト・プレス)

『こどもたちは まっている』荒井良二
2020年(亜紀書房)

絵本編集者とは画家・イラストレーターと文筆家、出版社をつなぐ仕事だ。一冊の絵本を世に送り出してゆくプロセスにおいて、中心的な役割を担う存在でもある。本展では、絵本編集者・筒井大介がこれまでに編集してきた代表的な絵本と原画を展示する。また、仕事をした52名の作家たちの言葉も紹介する。筒井はその仕事を通じて、絵本表現の拡張を試みてきた。いわゆる絵本作家だけでなく、他のジャンルの作家や、新人作家との仕事を数多く手がけるのも、絵本の可能性の追求の一環である。絵本からはみ出し、絵本を飛び越える。それが結果的に絵本の世界を豊かにすることにつながるのだと彼はいう...

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