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クリエイターと未来の顧客を共創 事業開発の進め方

畳そのものの魅力を拡張するプロジェクト

八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会「YATSUSHIRO TATAMIx」

「八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会」は4月28日、畳を活用した新プロダクト「TTM-V20」を発表した。これは本協議会メンバーと九州博報堂・博報堂DYメディアパートナーズから成るプロジェクト「YATSUSHIRO TATAMIx」から生まれたもの。その発足の経緯やプロダクト開発の流れを追った。

「TTM-V20」のキービジュアル。

同 公式サイト。

クライアントと広告会社の関係からプロジェクトメンバーの一員に

八代(やつしろ)産畳表認知向上・需要拡大推進協議会(以下、協議会)は、近年い草の生産者や生産量が激減していることへの危機感を背景に、国産畳表の再興を目指して2019年に設立された。畳関連企業や生産者団体、行政機関らが委員を務め、熊本県八代市のフードバレー推進課が事務局を務める形で運営されている。

協議会は「八代畳」の認知を高めるべく、2020年から九州博報堂・博報堂DYメディアパートナーズと協業している。「ごろーんとする気持ちよさ」を畳ならではの価値として据え、畳の上でリラックスする姿勢やストレッチを100ポーズ開発した「YATSUSHIRO GORONE COLLECTION」や、「あつまれどうぶつの森」内に「やつしろたたみ島」を作成するなど、一風変わった取り組みをしてきた。

いずれもメディア露出とともに新たな層へのリーチは叶ったが、「“見せ方”や“畳にまつわるコンテンツづくり”だけでなく、畳や畳がある空間そのものの新しい在り方を共に見出し、より広がりのある企画を生み出せたらと考えました」と、博報堂DYメディアパートナーズ プランナー 曽根裕さん。2年目となる2021年度は、クライアントと広告会社という立ち位置から一歩踏み込み、協議会と博報堂チームが一緒になって畳の可能性を探る、「プロジェクト化」を提案した(#01)。

「結果的に、協議会の先の畳屋さんや畳メーカーさんとも密なコミュニケーションをとることができ、提案できるアイデアの幅も広がったと思います」(曽根さん)。

「TTM-V20」の紹介ムービー。プロダクトそのものを紹介するだけでなく、今後の外部パートナーとのコラボレーションを想定して活用方法を連想させるつくりに。

4月28日に開催されたプロダクト発表会ではくまモンがゲストとして来場。畳の振動を伝える役割を担った。

「リラックスアイテム」から「畳ガジェット」へ

当初プロジェクト名は「TATAMInnovation」を予定していたが、「Mix」や「Transformation」といった意味を込め、「YATSUSHIRO TATAMIx」(#02)を正式名に。ロゴをデザインしたハロのグラフィックデザイナー 中屋辰平さんは、「畳の変化・変容をキーワードに、ベーシックな書体から徐々にい草をモチーフとした形へと変化していく様を表現しました」と...

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