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名作コピーの時間

石田文子が初めて出会ったコピー。

石田文子

    毎日ビールを飲んだ。それでも渇いていた。

    キリンビール/1992年
    〇C/岩崎俊一

    雨の日の記憶は濃い。

    積水ハウス/1989年
    〇C/岩崎俊一

    愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている。

    九州旅客鉄道/1993年
    〇C/仲畑貴志

石田文子が初めて出会ったコピー。

私は20歳を越えるまで、言葉を信用していませんでした。最も嫌いなのは作文。だって心の中にある複雑な感情を言葉にするなんてムリでしょ?と最初から諦めていたのです。読書感想文では巻末の書評を丸写し。作文では他人の受賞作をオマージュ。自分の気持ちをちゃんと書いてみようとまじめに取り組んだのは小学3年生の夏、ただ一度だけ。その時、担任の先生から発せられたのは「今回の作文では、なにを書いているのかわからない人がいました」という言葉でした。もしかすると私のことじゃなかったかもしれない。けれどそれ以来、私は完全に「言葉」に対して心を閉ざしてしまったのです。

十数年後。まったく勉強せずどこにも就職先がなかった私は、とりあえず就職情報誌に「制作」「企画」などと書いてある地元の会社を片っ端から受けては...

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