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デザインの見方

ゴフスタインの言葉

渡邉良重

『ブルッキ―のひつじ』、M.B.ゴフスタイン(著)
(G.C.PRESS)

『おばあちゃんのはこぶね』、M.B.ゴフスタイン(著)
(現代企画室)

『ピアノ調律師』、M.B.ゴフスタイン(著)
(現代企画室)

『私の船長さん』、M.B.ゴフスタイン(著)
(G.C.PRESS)

『ゴールディーのお人形』、M.B.ゴフスタイン(著)
(現代企画室)

『おとなりさん』、M.B.ゴフスタイン(著)
(G.C.PRESS、現在は絶版)

『あなたのひとり旅』、M.B.ゴフスタイン(著)
(現代企画室)

20年ほど前に出会い、それからずっと惹かれ続けているのが、M.B.ゴフスタインの絵本の数々です。彼女は1940年にアメリカで生まれ、2017年の12月20日、77歳の誕生日に亡くなられました。

ゴフスタインの絵本の素晴らしさは、言葉で説明し尽くせないところもあるのですが、優しい絵、そしてとても簡単な表現なのに真理をついているような言葉。谷川俊太郎さんや末盛千枝子さんによる和訳もすごくいいです。決して子どもだけに向けられたものではありません。

選べないほどどれもお気に入りですが、こういう取材の時によく挙げるのが『おばあちゃんのはこぶね』(訳:谷川俊太郎)です。子どもの頃に父親につくってもらったノアのはこぶねと木の動物たちを愛してきたおばあちゃん。きっと子どもたちも巣立って行ったのでしょう。おばあちゃんはひとりベッドに横たわります。「みんないなくなってしまったいま、はこぶねはおもいででいっぱい」「よろこびとかなしみは にじのよう」「それがわたしをあたためてくれる おひさまのように」。

人生の最後に悲しみさえも「にじのよう」と思えること。これは人間として生きるうえで、憧れであり目標です...

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