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デザインの見方

ファンに愛されるブランドの実験的なものづくり

寺島愛子

東京都現代美術館で開催された「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」より。

  • 撮影/吉次史成

ミナ ペルホネン(以下、ミナ)を知ったのは、今から10年以上前。キリンビバレッジに入社してからだったと思います。服のデザインはもちろん、丁寧につくられていることが伝わってくるテキスタイルに惹かれ、展覧会に行ったり本を読んだりするようになりました。生産者に対する眼差しや、ものづくりやファッションへの揺るぎない信念など、皆川さんの考えを知れば知るほど、ファン度が増していきました。

2019年11月から2020年2月まで東京都現代美術館で開催された「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展は、前売りチケットを購入したほど、待ち望んでいました。率直な感想は、「すごかった」のひと言。ファッションの領域を超えた展覧会で、何時間でもいられるほど、どの展示も面白かった。

特に感動したのは、お客さんが着ているミナの服と、その服にまつわるお客さん自身のエピソードを展示していたコーナーです。ミナの服がお客さんの歴史の一部になっていて、皆川さんがおっしゃっている「特別な日常服」になっていることが分かりました、それは、愛着を持って着続けているからこそ。ファンとブランドの絆が感じられる展示で、胸が熱くなりました。

展示を見て、皆川さんはさまざまな実験をしながらデザインされていることも分かりました。例えば...

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