死に際に見る、自らの人生のさまざまな情景が脳裏に現れては過ぎ去っていくという走馬灯。その出演者を決めるため、開かれるのが「走馬灯オーディション」だ。この不思議な世界観をいかにしてつくり上げたのか、制作メンバーの3人に話を聞いた。
ありえない設定の中に共感を描く
祖母が世を去る前、最後に見る走馬灯に登場したい、とオーディションに臨む孫。両親は既に選ばれ、親族以外の人も選ばれているのに、なぜか自分は選ばれない。その理由は、これまで祖母と旅行に行くことができていなかったからだ──。
「企画は私の体験がもとになっています」と話すのは、博報堂 コピーライター 内山奈月さん。「祖父が亡くなる直前、一緒に病室で思い出話をしたんです。そのとき1番盛り上がったのが旅行の話題。アルバムを開いた瞬間に『行ったね~!』とお互い心から楽しくなって。楽天さんの課題を見たときに、この出来事を思い出しました。大切な人との旅行が、人生にとってどれだけ価値あるものか感じてほしい。そんな思いから、走馬灯オーディションを企画しました」。
内山さんの字コンテをもとに、太陽企画 ディレクター 福田眞心さんが脚本を書き進めた...