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ファッション消費のキボウはどこに? Vol.1

市川 渚

ここ数年、企業を取り巻く環境は大きく様変わりして、企業にも人にも変化が求められている。ファッション業界も同様で、既存のシステムに対する疑問が突きつけられているのだが、新型コロナウイルス問題で一気に現象化した感がある。ファッション業界と消費者は、これからどんな方向に向かっていくのか──デジタル領域を中心に、幅広い活動を続けている市川渚さんの話を聞いた。

市川渚
クリエイティブ・コンサルタント。ファッションデザインを学んだのち、ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。以降ファッションとテクノロジーに精通したクリエイティブ・コンサルタントとして国内外のブランド、プロジェクトに関わる。また近年は自身でのクリエイティブ制作や、ファッション、テック、ビジネスを横断した情報発信にも力を入れており、その他にもコラム執筆、フォトグラファー、モデルなどとしてさまざまな顔を持つ。

システムそのものが転換する

2年ほど前のこと、「ファッションの未来」についてのトークショーで、ゲストとしてお招きしたのが市川渚さん。記憶に強く残っているのは、ファッションは未来に向けた転換期にあるのに、変化のスピードが遅すぎるという話。市川さんはデジタルとファッションの架け橋を担っているが、そこに越えづらい壁があること。越えることで可能性が拓けるのに、なかなか変えようとしないということだった。

振り返ってみると、変化のスピードは変わっていない。「今回のことは、既存のシステムを根底から覆す、業界のデジタルシフトを一気に加速化させるのでは」と市川さん。大手アパレルが百貨店の売り場を半減してECに舵を切る、百貨店やファッションビル、モールがECを強化するといったニュースが続いているが、これらは実店舗を開けられない環境になる前から兆しとしてあったこと。それを実行せざるを得なくなったのだ。従来は「リアルありきでデジタルはサブという位置づけでしたが、デジタルありきでリアルはサブという位置づけに」(市川さん)。思考転換と実践ができるかどうかが真剣に問われている。

ではなぜ、デジタルがこれだけ遅れたのか──

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